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アインシュタインの公式 E=mc2 の証明

 この公式は極めて重要なので、アインシュタインは繰り返し証明しています。
 この公式の証明は特殊相対性理論に基づいています。そのため別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」の知識が必要です。そちらをご理解の上でこの稿をお読み下さい。

1.証明1(1905年9月論文)

 Einsteinの公式 E=mc2 の証明の内で、最も有名なのが、1905年9月に発表されたものです。
 アインシュタインは先の6月論文でこの公式に繋がるヒントをつかんでいるのですが、その時点ではまだ気付いていません。しかし、そのすぐ後に事の重大性に気付き、9月に追加の論文を発表します。
 この証明は難解ですが、この公式が相対性理論に基づいていることが良く解る、とてもエレガントな証明です。
 
 訳文は参考文献1から引用した。ただし、別稿「アインシュタインの特殊相対性原理(1905年)」との繋がりを考慮して、文中の光速度Vに、エネルギー**に、また(ξ、η、ζ)(x’,y’,z’)に置きかえています。

原論文は右記URLよりダウンロード可 http://wikilivres.ca/wiki/Albert_Einstein

補足説明1
 上記の式は1905年6月論文の第U部§8で与えられている。そこの議論を復習すると、下図の様にK系に静止している物体が放射したエネルギーである場合、k系(以後はK’系と呼ぶ)から見ると、その同じ物体がエネルギー*を放射したことになる。

 このように、相対性理論では輻射(光)が持つエネルギーは“ローレンツ変換”に対して不変ではないのです。なぜそんなことになるのかというと、光の速度がどのような慣性座標系で見ても同じであるとしたからです。別稿の[補足説明5]をよくよく吟味されたし。
 以下の議論ではこの事を用いますので、公式 E=mc2 は相対性理論によって初めて予言できることであることがお解りになると思います。



補足説明2
 ここで言っていることは極めて解りにくいので補足する。
 まず注意して欲しい事は、6月論文で証明したように、同じ物体の持つエネルギーでも、K系で見た場合とK’系(k系)で見た場合で異なることです。つまり0≠H0であり1≠H1です。そのとき、さらに同じ物体から同じように放出された輻射のエネルギーであっても、K系で見た場合とK’系で見た場合で異なる
 このように全て異なっているのですが、“エネルギー保存則”が相対論的に成り立つ(つまりローレンツ変換に対して不変)ならば、それぞれの系で見たエネルギーに関して(A)式(B)式が成り立たねばならないと言っている。
 
 このとき、更に以下のことに注意して欲しい。静止系Kにおいて静止している物体は輻射を放射する前に静止しており、輻射を放射後も静止状態を続けます。なぜなら輻射は真反対方向に同じエネルギー量で放射されるとしているからです。
 そのときK’系における物体は輻射を放射する前からすでに動いています。つまりK系に対するK’系(k系)の移動速度の反対符号を持つ速度−vで動き、運動エネルギーK0を持っています。また、輻射を放射後もその物体は−vの速度での運動を続けます。なぜならK系で見たその物体は輻射を放射後も静止し続けているのですから、K’系で見たときの物体は輻射を放射する前と同じ速度で動いているはずです
 このとき注意して欲しいことは、そのとき物体が持つ運動エネルギーが輻射を放射する前と同じとは限りません。それは後で解ることですが、その物体の動き方は同じかもしれないがその質量が変化しているかもしれないからです。だからアインシュタインはそのときの運動エネルギーを0とは違った1と書いているのです。
 つまり、K’系における物体の輻射を放出する前後での物体の運動エネルギーK0とK1は異なっています。そのとき、物体から放射されるエネルギーもK系とK’系で異なっていた事を忘れないで下さい。
 
 更に補足する。3章で証明するように、光線塊もエネルギー・運動量・質量を持っている。そのとき反対方向に放射された光線塊の運動量を加え合わせると、その光線塊質量の重心は輻射(光)を放射した元の物体が持っていたのと同じ速度−vで同じ方向に移動し続けることが解ります[証明はこちら]。K’系において反対方向に放射された二つの輻射(光)の塊のエネルギーが異なるのに、K’系における最初の物体の速度が輻射の放出後も変化しないのはその為です。この事は放射された輻射と質量変化をした物体の運動量の和が、輻射が起こる前の物体の運動量と同じに保存される事を表しています。
 彼は、9月論文の証明を進めるとき別ページに記した確認計算を当然したでしょう。
 光線がE/cの運動量を持つことはそれまでに知られていましたから、運動量をその移動速度cで割ればそれが質量だと言うことは当然予測されます。おそらく彼は、光線塊がE/2の質量を持つとして確認計算をしたでしょうが、このような整合性が成り立つ事にアインシュタインは真に驚いたに違いない。
 そのとき、この確認計算を逆にたどってそのことが証明できるかと言うと、そうはいきません。例えば質量がE/3やE/4であっても重心位置の移動は導けるからです。つまり、この段階ではそのことはまだ証明されていないのです。第1章におけるE=mc2の証明に、輻射の質量がE/2になることを用いていないことに注意して下さい。
 すなわち、この段階では輻射はエネルギーを持ち去るが、その輻射自身が質量を持つかどうかはまだ解りません。この9月証明を発表した後、それを直接証明する方法はないか色々考える内に1906年5月論文の証明法を思いついて翌年5月に発表したのでしょう。
 だから、K’系における物体の速度が輻射放射後も同じであることは、静止系Kで物体が輻射放射後も静止続けていることから、言えることです。

 
 K系における物体は輻射の放射によってエネルギーは変化するかもしれないが、“運動エネルギー”は変化していないのです。なぜなら、物体の輻射を放射する前も、後も静止しているのですから。ただし、そのとき物体の質量は変化しているかもしれません。
 一方、K’系における物体は輻射の放射によってその“
運動エネルギー”を変化させているはずです。そのとき“速度”は輻射の放射の前後で変化していないのだから、変わっているのは“質量”で、それが変化することによって運動エネルギーを変化させているのです。

 その変化した状態で持つ運動エネルギーが1です。上記の(C)式(D)式はその事情を表している。
 
 これら、(A)〜(D)式を考慮すると

が成り立つ。これが次の文節で示している式です。

補足説明3
 6月論文第U部§10で証明したように、可秤質量(普通の物体のこと)の運動エネルギーK(そこではで表されている)は

で表せた。ここで注意して欲しいことは運動エネルギーは[質量][速度の二乗]の積に関係したのです。だから速度が同じでも質量が異なれば運動エネルギーも異なります。そのことを考慮するとK’系での運動エネルギー変化は、速度に変化は無いのですから

となる。
 この式と前記の式を比較すれば直ちに

が得られる。
 K’系において速度vで運動していた物質が、輻射を放射した後に同じ速度vで運動しているのですが質量が変化している。ここのΔμは、その“質量”の変化量を意味しています。つまり、次の文節で述べているようにK’系の物体の質量はΔμ=L/2だけ減少している。
 ここで、L/2μではなくてΔμであることに注意して下さい。

補足説明4
 前後の文章の繋がりから明らかなように、上記青波線アンダーラインの部分は、K’系での可秤質量について輻射放出後の質量減少量を言っており、K系での質量変化ではありません。ところが、実際のK’系での輻射エネルギーの放出量はではないのですから、K’系における輻射放出後の厳密な質量減少量はL/2 ではなくて

となります。だからだから青波線アンダーラインの部分の記述は(v/c)の2次以上(前に1/c2がかかっている事を考慮すると4次以上というべきもしれません)の項を省略した近似的な話です。実際そうして求めた関係式だったのですから。本文中の“4次およぴそれより高次の量を無視して”はそのことを意味します。
 
 もちろん、K系における輻射放出前後の質量減少量は厳密にL/2となります。
 
 更に補足すると、K’系における質量の減少量とK系における質量の減少量の差は、まさに最初に述べたK’系において放射される輻射エネルギーとK系において放射される輻射エネルギーの差を2で割った値に一致しています。
 そのことは簡単に確かめられます。すなわち

となります。
 つまり、おおざっぱに言えばK’系に於いては、K系でのエネルギーの違いΔμ・c2に加えて、更にΔμ・v2/2の違いがあると言うことです。このときΔμ・v2/2は運動エネルギーの変化量であって、運動エネルギーμ・v2/2そのものではないことに注意されたし。
 
 このように原子や原子核が光を放射してその[内部結合エネルギー状態]が変わると、その質量が変化することは、その後の原子物理学の多くの実験で確かめられた。

補足説明5
 ここの論理は非常に解りにくいが、アインシュタインが赤波線二重アンダーラインの部分で注意しているように、相対性理論が正しく、エネルギー保存則が相対性理論に於いても成り立つなら、E=mc2で無ければならない。
 物質世界について相対性理論が予言する多くの事柄の中で、この予言ほど驚かされるものは在りません。ここではまだ証明されていませんが、後で説明するようにこれは物質(可秤質量)以外の電磁場の様な場のエネルギーについても成り立ちます。
 
 くどい様ですが、どこが相対性理論に依存しているのかもう一度確認しておきます。
 [補足説明1〜4]で説明したように、K’系で見た運動エネルギーの変化量が、放射される輻射のエネルギーをK系で見た場合とK’系で見た場合の違いに一致することから、エネルギーと質量の関係を導いたのでした。
 そのとき相対性理論からK’系の物体の速度は輻射放出の前後で変わっていないのだから運動エネルギーが変化するのは質量が変化するからとしてエネルギーと質量の関係を求めた。
 所で、輻射エネルギーがK系で見た場合と、K’系で見た場合で異なるのは、あらゆる慣性系において、光速度は一定であると言う“光速不変の原理”を要請した為に生じたことでした。常識ではとうてい納得できないこの原理に相対性理論の本質の全てが有るのですから、この公式E=mc2が相対性理論によって初めて導けるものであることはお解りでしょう。 

補足説明6
 その様に考えれば、6月論文第U部§10で証明された関係式は

を表している。つまり可秤質量に力を加えて運動エネルギーを与えると、物体の“質量”はその“エネルギー分を2で割った量”だけ増大する。

補足説明7
 アインシュタインが文中で強調しているように、物体のエネルギー状態が変われば質量が変わるのは、あらゆるエネルギー形態の変化に対して言えます。
 例えば、物体が熱せられて[熱エネルギー]を持つ(つまり原子的な振動エネルギーを持つ)場合、あるいは化学反応にともなう化学結合力や核子間の核力に伴う[結合エネルギー]が変化する場合も質量が変化します。もちろん、止まった状態から動いている状態になって[運動エネルギー]を持つとそのエネルギー分だけ質量が増大します。そして、もちろんその質量変化は“慣性(つまり力を加えたときの動きにくさ)”に影響するし、“重力”にも関係する。
 おそらく、アインシュタインは、この事が示す重大性に驚いたに違いない。だからすぐに追加の論文を9月に書いた。
 
 ここでもう一つ補足しておきます。
 前記の文章は、K系で放射される輻射は、エネルギーLから計算されるL/2の質量を伴って飛び去ったことを予測させますが、その事の証明はまだこの段階では成されていません。アインシュタインの説明文を注意深く読んで下さい。アインシュタインはそのことに関しては、まだ何も言っていないことが解ります。
 輻射が質量を持つことの証明は1906年5月になって初めて達成されます。そのことは第3章で説明しますが、そこで解るように輻射エネルギーも慣性質量を持ちます。すなわち、物体(可秤量質量)も輻射(光)も全て含めて初めて質量保存則(エネルギー保存則といっても良い)が成り立ちます。

補足説明8
 最後の式 L/9×1020 は、MKS単位系で表した光速度=3×108m/sはCGS単位で=3×1010cm/sであることを考慮すれば明らかです。すなわち

補足説明9
 最後の文節について補足する。
 アインシュタインは、新しい事実を報告するとき、必ずそれを確かめるための実験・観察の方法を提案している。ここに書かれている、放射性物質が極めて強大なエネルギーを秘めている事が解ったのはまさにこの時代です。
 実際、ラザフォードとソディが、放射性物質(ラジウム塩もその一種)から放出されるベータ線やアルファ線が極めて強大な運動エネルギーを持っている電子やヘリウム原子核である事を確かめて放射性崩壊過程を解明した、決定的な論文を発表(別稿「ラザフォードとソディの放射性変換説」参照)したのは1903年です。この論文の最後で彼らは“原子の壊変から出てくるこの莫大なエネルギーが、放射性元素以外の元素にも封じ込まれているのではないか、また宇宙物理学における太陽エネルギーの源もそれかも知れない”と予言している。
 特許局の仕事をしながら、当時(26歳)のアインシュタインは原子物理学の最先端の状況を極めて正確・詳細に把握していたようです。
 
 アインシュタインのE=mc2公式は、それ以後の原子物理学を導く指導原理となる。その当たりについては別稿「中性子の発見(1932年)」をご覧下さい。
 
 また、最後の文中の“慣性”とはまさしく“慣性質量”の事です。これは後に明らかになるように“重力質量”と等価ですから、これは当然重力の源となる質量を意味します。
 
 さらに、もう一つ補足する。アインシュタインは最後に“輻射は放出物体と吸収物体の間で慣性を受け渡しする。”と言っていますが、決して“輻射そのものが慣性質量を持つ”とは言っていないことに注意して下さい。この事が証明されるのは補足説明2補足説明7で注意したように1906年5月論文に於いてです。
 この言い方を深読みすると、おそらくアインシュタインは、この時点ですでに輻射が慣性質量を持つことが証明できる見通しを持っていたに違いない。

補足説明10
 同じ事なのですが、バークレー物理学「力学(下巻)」の解説も引用しておきます。これを最初に読んでも本質を理解するのは難しいのですが、以下の2点で教育的です。
1.放射される光のエネルギーかK系で見た場合とK’系て゜見た場合で異なる事を、光量子説にドップラー効果を絡ませて導く方法を補足している。
2.光の放出方向をK系に対するK’系の移動方向に沿った正負方向として簡単化して説明している。

 

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2.証明2(1905年6月) 初等的な証明

 一般的な証明とは言えないのですが、1章補足説明6で説明した事柄から公式 E=mc2 が導けます。これが初等的な教科書で説明されているものです。
 
 以下はBornの文献3(文献4ではない)からの引用です。
 Bornが最初に述べている“質量に対する(87)の公式”とは

の事です。
 これは、別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年」3.(5)ですでに出てきています。しかしそこの[補足説明4]で注意したように、この時点のアインシュタインには、これが物体の“慣性質量”に相当するものだという認識は在りません。縦質量とか横質量という訳の解らない認識にとどまっています。
 これが物体の慣性質量であると言う認識が確立・証明されるのは、そこで説明したようにプランクの論文「相対性原理と力学の基本方程式」(1906年3月)N.LewisとC.Tolmanの論文「相対性原理と非Newton力学」(1909年5月)の段階に至っての事です。
 このことは、いずれ相対論的力学の稿で説明しますが、今はとりあえず、上記(87)式が相対論的質量であると認識されているとして以下のBornの説明をお読み下さい。実際、Bornは以下に引用する節に先だって、PlanckやLewis−Tolmanによって確立された相対論的力学方程式の話をすましています。この点においてBornの説明は完璧です。
 
 世の中の初等的解説書が解りにくいのは、相対論的力学方程式の導出をきちんとして(87)式が“慣性質量”であるということを確立してから以下の話に入っていないからです。そのときには縦質量とか横質量とかはまったく関係ありません。このことはSommerfeldの文献5「力学」§4などで明言されています。


Bornが最後に言っているのは次章で説明する証明3(1906年5月)の事です。

補足説明1
 上記引用文中でBornが“2次以上の項を捨てない場合にも、この運動エネルギーの定義が厳密に成り立つことが示せるのである。”が別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年」3.(5)でアインシュタインが証明している

の部分です。
 だからこの事は、1905年論文でアインシュタインによって完璧に証明されています。それを用いれば上記の青囲み枠で囲った部分のBornの説明は不要です。ゆえに、文中の(87)式が“慣性質量”であるという認識が確立していさえすれば、アインシュタインが1905年に導いた式から、[運動エネルギー]の増大分に対応して[物体の質量]が増大していることは直ちに言えます。

補足説明2
 この第2章で説明したことは実質的に1905年6月論文で与えられているのですが、私どもは、前稿の該当する部分で、アインシュタインは1905年6月の段階でこの事に気付いていないと説明しました。それはプランクによる(運動量の時間的変化が力に比例するという形の)相対論的力学方程式にまだ気付いておららず(87)式“慣性質量”であるという認識に至っていないからです。
 ただし、私どもの憶測ですがアインシュタインは本当は気付いていたのかもしれません。実際すぐに9月論文(第1章で説明したもの)を発表するのですから。
 しかしたとえ気付いていたとしても、これは、[運動エネルギー]という特殊なエネルギー形態についてエネルギーと質量の等価性を与えているだけで、もっと一般的なエネルギー形態、例えば[電磁場(光)などの場のエネルギー][結合力に伴う結合エネルギー]などに付いても成り立つのかどうかは解りません。そのため、1905年6月論文には書かなかったのでしょう。
 その後、もっと一般のエネルギー形態について言えないかと思考を続ける内に、第1章で説明した方法を用いれば[結合エネルギーに伴うエネルギー変化]も質量変化を伴うことが証明できることに気付いたのではないでしょうか。それを1905年9月に発表したと言うのが実情でしょう。
 
 しかし、改めて第1章の証明を眺めてみると、まさに天才アインシュタインだからこそできた証明法ですね。
 この証明は“エネルギー保存則”を相対論的に解釈することで得られたのですが、“運動量保存則(重心定理)”を相対論的に解釈すれば別証明が得られることも見つけています。それが次章で説明するものです。“運動量保存則を相対論的に解釈する”とはどういう事かは次章の補足説明3をご覧下さい。

 

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3.証明3(1906年5月)

 1905年9月論文で得られた結論は重要なので、アインシュタインは後にそれを更に発展させます。以下の証明は前年の9月論文の結果を利用して輻射も慣性質量を持つ事を証明したものです。これは1906年5月に「質量運動の重心の保全原理とエネルギーの慣性」として発表された。
“Das Prinzip von der Erhaltung der Schwerpunktsbewegung und die Tra¨gheit der Energie”, Annalen der Physik, ser.4, vol.20, p627〜633, 1906年
 原論文は右記URLよりダウンロード可 http://wikilivres.ca/wiki/Albert_Einstein また、文献13に日本語訳あり。ただしこれはBornの解説より解りにくい。
 この論文で、[運動量やエネルギーを持つことが解っている輻射(光)][慣性質量]を持つ事を直接証明している。
 以下の説明文はBorn文献4から引用した。
 
 ここで最も解りにくいところは、“電磁場の持つ運動量が E/ (Eはエネルギー)で表される”の所ですが、これは古典的な電磁気学理論ですでに証明されている事柄です。
 これが相対性理論で求められたと勘違いされているかもしれませんが、相対性理論以前に求められています。もちろんMaxwellの方程式がローレンツ変換不変である事を考慮すると、もともと相対性理論を満たしていると言ってもよいかもしれません。
 実際、相対性理論が新たに予言する事に、“電磁場のエネルギーや運動量は観測する座標系によって変化する”(別稿3.(2)4.3.(3)から解るように、これは光速不変の原理から出て来る)があるのですが、ここではそのことは用いません。一方、第1章ではそのことを用いたことを思いだされたし。
 
 光の運動量がE/で表されることについては、後に補足説明1で説明します。まずは、この事をそのまま認めて以下のBorn文献4第Y章§8(p277〜281)の説明をお読み下さい。その後で[補足説明1]をお読み下さい。
 また、この議論が相対性理論に基づくものであることは補足説明3で説明しています。





補足説明1
 この証明で最も解りにくいところは、電磁場がE/(Eはエネルギー)で表される運動量を持つという所です。そのことについてアインシュタインは論文中で説明しているようですが、私にはよく理解できません。
 それで、その説明をファインマンの文献6(p90〜94)から引用しておきます。おそらく、アインシュタインは、ポアンカレを引用して、下記の追記と同じことを説明しているのだと思います。
 引用文中で、ファインマンが面倒だから説明は省略するといっている部分を、右側に赤実線囲み枠内追記しております。確かに中々の仕事が必要ですが、これは普通の電磁気学の教科書で説明されているものです。適当な本でご確認下さい。
 また、下記文中で上記引用のアインシュタインの証明3(1906年5月)についても触れられていますので合わせてご覧下さい。ファインマンはアインシュタインの議論を逆にして引用しているのですが、この点に注意されれば上記の議論の本質が良く見通せます。


 Pauli「相対性理論」によると、上右欄に注記した関係式を最初に導いたのはLorentzの様です。(Lorentz著, Enzykl. math. Wiss., V14, §7, 1904年など参照・・・これはnetから無料download可)
 アインシュタインが引用している論文で、ポアンカレは、エネルギーEと運動量pを持つ光の波束を考え、ポインティングの定理によってp=E/cとなることを思い起こし、非相対論的なニュートンの関係式p=mvを光束に適用して、エネルギーEの光束は質量m=E/c2を持つと述べている様です。アインシュタインは論文の最初でこの事を指摘して、彼自身の論理を展開しているようです。
 特許局の仕事で忙しく関係論文を調査することが難しかったアインシュタインがこの論文を知っていたのは、これがローレンツの祝賀記念集(1900年)に発表されていたからではないかとPais(p212)は注記している。アインシュタインはローレンツを深く尊敬していたので、この論文集を読む機会があり、気付いたのだろうと推測しています。
 また、赤実線囲み枠内の運動量・エネルギーテンソル式を最初に4次元化したのはMinkowskiの相対論第2論文(Nachr. Ges. Wiss. Gottingen, p53〜111, 1908年)に於いての様です。

補足説明2
 同じ事ですが、上記のアインシュタインの考察についての解説を江沢文献9p107〜108より引用。


補足説明3] 
 Bornの説明も江沢先生の説明も輻射(光)はエネルギーを持ち運動量を持つ事を前提にして議論しています。だから、輻射(光)が質量を持つのは当たり前ではないか。どこが相対論的議論なのだと言われるかもしれません。確かに、Bornが最初にことわっているように、相対性理論の数式を使っているわけではありません。
 
 しかし、そのとき良く考えて下さい。光の速度は(放射物体の運動速度によらず)であるとしていますが、これはローレンツ変換不変のMaxwell方程式から出て来る事です。つまりMaxwell方程式から導かれる波動方程式もローレンツ変換に対して不変だからです。
 このことは決して当たり前のことではなくて、相対性理論以前には多くの議論が成された所です。実際、物体から放射された光の速度がであることは相対性理論以前の(物体が二つに割れて互いにはじき飛んでいくときの)運動量保存則から当たり前に出て来ることではありません!  相対性理論の“光速不変の原理”から出て来ることです!!
 
 また、光の圧力にしても別稿3.(3)2.の様に相対性理論ではじめて完璧に説明できることです。
 さらに、光が塊として動くなどは、相対論的な考察をして初めて認識できることです。
 最後に、もう一つ注意すると、最初に記したように、この証明は、可秤質量から輻射が放射されると、可秤質量はその輻射のエネルギー分だけ軽くなるという第1章で証明した結論を用いてますから、その点において相対性理論をすでに用いています。
 
 すなわち、[輻射(光)の慣性質量]エネルギー光速cの2乗で割った値になることは、相対性理論に基づいて上記の様な考察をして初めて導ける事です。 

補足説明4
 アインシュタインは上記の様にして、輻射(光)が慣性質量を持つことを証明しました。
 ところで、“慣性質量”“重力質量”と等価である事(“等価原理”と呼ばれる)を確認する実験は昔から(この実験の起源はニュートンに遡る)繰り返されており、1908年にエトヴェシュによる決定的な実験で確立されたと言って良い。
 ならば、光線は重力の影響を受けて、その進行方向を曲げることが予想されます。実際、アインシュタインは、6.(2)で紹介する、1907年の総説論文第X章§20でそのことを指摘し、1911年にさらに詳しい考察を発表[Ann. der Phys. [4], 35, p898〜908, 1911年(参考文献2の第2巻に翻訳有り)]します。[別稿の講演p84を参照]
 もちろんそれらの考察は予備的なものであり正確なものではありませんでしたが、やがてこれらの考察を発展させた一般相対性理論を作り上げます。そして、この現象を完璧に説明することに成功します。
 
 実際に、重力に因って光線が曲がる事は、エディントン達によって(“皆既日食”を利用して)太陽近傍を通過する星からの光が、太陽の重力により曲がることを確認(1919年)して実証された。その曲がる角度(偏角)は、素朴な重力理論が予測する偏角値の約2倍となるのですが、そうなることは素朴な重力理論を一般化した一般相対性理論がすでに予言していたことで、一般相対性理論の実証例として、当時非常に有名になった。
 また、地上の実験で、光が地球の重力により加速されて(運動)エネルギーを増加させる事がPoundとRebkaによる有名な実験(1960年)によって確かめられた。彼らは光子のエネルギーの増加をその振動数の増加としてとらえたのです。その振動数変化Δνは極めて小さいが、“メスバウアー効果”を利用することで測定が可能になった。
 この当たりの詳細については[補足説明6、7]で引用する文献を参照されたし。

補足説明5
 別稿「プランクの熱輻射法則」10.まとめの最後で述べたように、量子論を特徴付ける公式を一つあげるとすればε=hνであろう。この式で、まったく異なる物理量であるエネルギーと振動数を次元的に結びつける換算定数がプランク定数hです。
 このとき、エネルギーεも振動数νもローレンツ変換に対して不変ではないのに、この換算定数“はローレンツ変換に対して不変の定数となることを、別稿「アインシュタインの特殊相対性理論」3.(3)1.[補足説明4]で注意しました。
 
 一方、相対性理論を特徴付ける公式を一つあげるとすればE=c2mであろう。このとき、エネルギーEも質量mもローレンツ変換に対して不変ではないのですが、この次元のまったく異なる二つの物理量を結びつける換算定数“2は、やはりローレンツ変換に対して不変な定数です。
 実際、本稿の1.[補足説明5]で説明したように、この公式は“相対性原理”と並び立つ“光速不変の原理”から出てきたものでしたから、この換算定数c2がローレンツ変換不変であることは宜なるかなです。
 
 上記の二つの魔術的な公式が両方ともエネルギーに関係し、しかもそれらの換算定数がローレンツ変換に対して不変であり、その定数によってエネルギーと結びつけられる物理量がνとmという思いもかけないものであることに、何か不思議な自然の摂理を感じます。
 実際、プランクは別稿「プランクの熱輻射法則」5.(2)2.に於いて、これらの不変定数を用いた自然単位の概念を提唱しますが、これらの定数にはこの世界を説明するための根源的な理由が在るのかもしれません。

補足説明6
 ここで、説明したことに関係し、一般相対性理論の検証実験にも利用される“メスバウアー効果”(1958年)について補足する。以下は文献11の訳者附録Wより引用した。





これは、別稿「熱機関の効率(ガス動力サイクル)」2.(7)[補足説明2]で説明した事と同じです。





 
同じ事柄の説明ですが、以下は文献10(下巻)のp448〜449より引用した。








 
メスバウアー効果のもう少し詳しい説明はシュポルスキー文献12§129“メスバウアー効果”を参照されたし。

補足説明7
 “等価原理”“光子の重力質量”について補足する。
 この事についてKittel文献10第14章“等価原理”が解りやすいので引用。さらに、Sciama文献11第5章“赤方変移”第7章“重力偏差”も引用。[補足説明6]で引用した“メスバウアー効果”と互に参照しながらお読み下さい。
 文献11、12は現在絶版(文献10は再販されている)ですが、解りやすく教育的なので図書館で借りられて読まれることを高校生諸君に勧めます。 
 さらに注意すると [補足説明6]で説明したメスバウアー効果は、まさに特殊相対性理論が予言する“光は質量を持つ”という事実そのものに深く関係した現象です。

補足説明8
 前記[補足説明4]で説明した光線が重力によって曲がることは、光が慣性質量を持つことが証明(1906年5月論文)されれば当然予想されます。それは、ニュートン以来当時まで繰り返されていた慣性質量と重力質量の等価性の実験的証明により、慣性質量は当然重力の影響を受けることが解っていたからです。
 そのとき太陽のそばを通る光線が太陽重力によってどの程度曲げられるかは、古典的な重力理論で計算できます。それは太陽の周りの惑星の運動に影響するのは太陽の質量(太陽が作る重力場)のみで惑星の質量が幾らであるかには関係しない事を思い出されれば明らかです。これはどんな物体でもその質量に関係なく(慣性質量と重力質量の等価性から)太陽に対して同じ様に落下していくからです。光線も同じ様に落下します。
 つまり、古典的な重力理論で光線の曲がりを計算するには、光の具体的な質量がいくらであるかを知る必要は無く、光が移動する速度(光速度)さえ解れば良いのです。
 実際、バークレー物理「力学(下巻)」p488で説明されているように高校数学の積分の知識があれば導けます。Born文献第Z章p352で説明されているように、特殊相対性理論が提出される1905年よりも遙か前の1801年にドイツの数学者・測量技師のゾルドナーはすでにその湾曲の大きさを計算しています。
 特殊相対性理論から光が質量を持つことが解れば当然のごとく光線が太陽重力によってその進路を曲げられることが予想されるのですが、そのとき注意して欲しいのは、光線の湾曲は特殊相対性理論の“光速不変の原理”に矛盾することです。実際、“フェルマーの原理”から明らかなように、波としての光線が湾曲することは光速度が一定ではなく重力場に依存して場所ごとに変化することを示しています。
 これは大問題です。アインシュタンイはその矛盾に気付き深く悩みます。そして特殊相対性理論は真に正しい理論ではなくて、(特に重力が存在するときには)近似的なものだという事をハッキリ認識(1907年)します。(例えば1916年文献22章、あるいは京都公演p84、あるいはPais文献第9章、あるいはインフェルトの説明を参照)
 そして彼はそれから8年の歳月かけて、その矛盾を解決する一般相対性理論(1915年)を作り上げます。その正しい一般相対性理論が予言する太陽近傍を通過する光線の湾曲量は、ゾルドナーの素朴な重力理論(素朴な光の粒子説と言っても良い)による計算値の丁度2倍だったのです。

 

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4.証明4(1946年)

 この証明は、物質や輻射(光)が持つ“運動量”はK系から見た場合とK’系から見た場合では異なる(つまりローレンツ変換に対して不変ではない)という相対論的な効果を用いています。
 そのとき、“運動量保存則”はK系でも、K’系でも等しく成り立たなければならい事から[光のエネルギーを吸収する]とその吸収したエネルギー分の質量が増大するという事を導くものです。これもアインシュタインならではの独創的な証明です。
 
 以下の訳文は文献2から引用した。この日本語訳は文献8にも在ります。
 ここでも“光の運動量”の式が用いられていますが、この事については前章の補足説明1をご覧下さい。




補足説明1
 上記のアインシュタインの方法をそのまま利用した話なのですが、ファインマンが文献7§16-4で面白い説明をしていますので引用しておきます。(これはBornの文献3や文献4第Y章§7§8で説明されているものです)
 これは、運動エネルギーと共に物体の質量が(16.10)式で変化することを用いていますから、E=mc2を証明するものではないのですが、非弾性衝突後に両物体の速度がゼロになるのに、運動エネルギーを持っていた時の質量の二倍をそのまま保持するということです。これはつまり運動エネルギーが熱に変わったのですが、その[熱エネルギー]がそのまま質量の増加(つまり静止質量が増加したように見える)である事を意味します
 もちろん熱エネルギーの実態は原子の運動エネルギーなのですからE=mc2からいくと当たり前の話なのですが、この意味に於いて、相対性理論の公式 E=mc2 は完璧な整合性を持っています。
 

細説明2
 これまでの説明で、μ、あるいは(一般の書籍では0と記される事が多い)と記してきた量を普通“静止質量”と呼んでいます。そのとき、今までの議論を振り返られれば明らかなように、物質はたとえ静止していても内部的な結合エネルギーが変われば質量が変わるのですから、“静止質量”も状況により変化します。また、相対性理論によると同じ物体でも動いている座標系から見ると運動エネルギーを持っている様に見えます。
 だからμやm(or m0)を取り立ててその様な名前を付けて呼ぶのは意味のないことです。相対性理論では二つの慣性系のうちで、どちらの座標系が止まっていて、どちらの座標系が動いているのかを議論するのは意味のない事であった事を思い出して下さい。
 一般の初等的解説書で、あたかもこれが根源的な質量であるかの様に、誤解させる元になる表現ですから、このような表現を用いない方が良い。静止質量も状況により変化するのですから。

 

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5.E=mc2の実例

 この理論は数多くの重要な結果を生み出している。Born文献4第Y章§8の後半(p281〜284)から四例を引用する。これはBorn文献3の改訂版として1964年に書かれたもので、その当時までに得られた成果から幾つか選んで紹介されています。

)電子の質量


文中の(69)式(207頁)については別稿で引用していますので参照されたし。

 

)π中間子


文中の5章13節についてはこちらを参照。

 

)重水素と核融合

 

)ウラニウムと核分裂

もう少し詳しい説明を江沢文献9p109〜113より引用。

 少し補足すると、3-7図で示す状態に変形した時の原子核は+に帯電している二つのPd原子核がクーロン反発力に逆らって無理矢理引っ付き合っている状態です。そのため結合エネルギーが高い状態にあり、その分だけ質量も重くなっています。
 それが次の瞬間には電気的な反発力により互いに反対方向に加速されて、高速で移動する二つのPd原子核となります。そのときは最初持っていた結合エネルギー(反発エネルギーと言うべきかも)分が運動エネルギーに変わったのであって、やはり運動エネルギー分だけ質量は重くなっています。だからこの段階までは二つのPd原子核の質量の和は最初のウラン原子核と同じです。
 これが他の様々な原子と衝突を繰り返していく内にその運動エネルギーを失って最終的に静止した二つのPd原子核となる。その時に最終的に静止した二つのPd原子核の質量と最初のU原子核の質量を比較したら、Pd原子核の結合エネルギーから計算される質量(二つに分裂して二つあるので2倍した)997×2MeVと最初の静止しているU原子核の結合エネルギー分に相当する質量1786MeVを比較して得られる質量欠損があるのですが、それは実際クーロン反発力に伴う位置エネルギーから計算される値にほぼ等しいことが解ると言うことです。
 
 実際、上記の接触しているときの位置エネルギーUとは+46eの正電気を持つ二つのPd原子核を、その電気的な反発力に逆らって無限の彼方から距離2aの位置まで近づける為に必要な仕事量を表す。この当たりは引力と反発力の違いはあるが別稿の図を参照されたし。

[補足説明1]
 上記の説明はなかなか解りにくいのですが、“核分裂”によって主に解放されるエネルギーは陽子(+電気)間に働く電気的なクーロン反発力に伴う位置エネルギーです。核子間(陽子−陽子、陽子−中性子、中性子−中性子)に働く核力の位置エネルギーではありません。
 一方、軽原子核の“核融合”で解放されるエネルギーは、核分裂とは反対に、主に核子間に働く核力(引力)に伴う位置エネルギーが解放される。
 その当たりの概説をファインマン物理V§1-1から引用しておきます。
 
詳細は、適当な原子核物理学の参考書をご覧下さい。

 

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6.E=mc2に言及しているアインシュタインの論文・講演

 質量とエネルギーの等価性について、アインシュタインの関わりを説明した
ジョン・スタチェル篇(青木薫訳)「アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文」筑摩書房(2011年刊)
p244〜249の解説を引用
 一連の原論文は右記URLよりダウンロード可 http://wikilivres.ca/wiki/Albert_Einstein

(1)「相対性原理が要求するエネルギーの慣性について」(1907年5月)

“U¨ber die vom Relativita¨tsprinzip geforderte Tra¨gheit der Energie”, Annalen der Physik, ser.4, vol.23, p371〜384, 1907年
 これは、下記URLよりpdfファイルがダウンロード可。また、文献13に日本語訳あり。
http://myweb.rz.uni-augsburg.de/~eckern/adp/history/einstein-papers/1907_23_371-384.pdf
 また、下記URLにて全文を閲覧可。
http://wikilivres.ca/wiki/%C3%9Cber_die_vom_Relativit%C3%A4tsprinzip_geforderte_Tr%C3%A4gheit_der_Energie
こちらを用いれば自動翻訳サイトの利用可。

 

(2)「相対性原理とそれから導かれる結論」(1907年)

“U¨ber das Relativita¨tsprinzip und die aus demselben gezogenen Folgerungen”, Juhrbuch der Radioaktivita¨t und Elektronik, vol.4, p411〜462, およひ vol.5, p98〜99, 1907年
 これは、シュタルクの依頼を受けて、彼の主催する『放射学および電子学年報』に載せるために、アインシュタインが初めて書いた相対論についての総合報告です。多くの詳しい参考文献を挙げるという労をとっている。
 下記URLよりpdfファイルとしてダウンロード可。また、文献13に日本語訳あり。
http://www.soso.ch/wissen/hist/SRT/E-1907.pdf
 また、下記URLにて全文を閲覧可。
http://wikilivres.ca/wiki/%C3%9Cber_das_Relativit%C3%A4tsprinzip_und_die_aus_demselben_gezogenen_Folgerungen
こちらを用いれば自動翻訳サイトの利用可。

 

(3)「質量とエネルギーの同等性の初等的導出」(1935年)

“Elementary derivation of the equivalence of mass and energy”, American mthematical society, Bulletin, vol.41, p226〜230, 1935年
 これは1934年にピッバーグで行ったギブス記念講演を出版したものです。そのときの講演の様子を伝える写真と解説が下記URLにあり。
http://www.relativitycalculator.com/pdfs/einstein_1934_two-blackboard_derivation_of_energy-mass_equivalence.pdf

 これは、点粒子系に対するエネルギーと運動量の保存が全ての慣性系で成り立つことからE=mc2を導いている。その詳細は、下記URLよりpdfファイルをダウンロードされてご覧下さい。
http://www.ams.org/journals/bull/2000-37-01/S0273-0979-99-00805-8/S0273-0979-99-00805-8.pdf
http://projecteuclid.org/download/pdf_1/euclid.bams/1183498131

 

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7.参考文献

 この稿を作るに当たって、下記文献を参照した。

  1. 物理学史研究会編「物理学古典論文叢書4 相対論」東海大学出版会(1969年刊)収録の第2論文より引用
    原論文はA.Einstein, “Ist die Tra¨gheit eines Ko¨rpers von seinem Energieinhals abha¨ngig?”, Annalen der Phsik, 4 Folge, Bd.18, 639〜641 (1905) です。
  2. 湯川秀樹監修、中村・谷川・井上訳編「アインシュタイン選集1《特殊相対性理論・量子論・ブラウン運動》」共立出版(1971年刊)
  3. M.Born著(林一訳)「アインシュタインの相対性理論」東京図書(1968年刊)Gauss単位系
     原本のドイツ語初版は1920年刊。
  4. M.Born、W.Biem著(瀬谷正男訳)「アインシュタインの相対性原理」講談社(1971年刊)第Y章§8より
     原本は1964年に発刊。文献3の改訂版です。この本の第V章第W章§7〜11第X章第Y章§1〜6、10〜11and§7〜9は別稿で引用。
  5. A.Sommerfeld著(高橋安太郎訳)「理論物理学講座T 力学」講談社(1969年刊)§4
     原本の初版は1942年刊です。
  6. ファインマン、レイトン、サンズ著「ファインマン物理学W 電磁波と物性」岩波書店(1971年刊)第6章
  7. ファインマン、レイトン、サンズ著「ファインマン物理学T 力学」岩波書店(1967年刊)第16章
  8. A.Einstein著(中村誠太郎,南部陽一郎、市井三郎訳)「晩年に想う」講談社(1971年刊)
    1934年〜1950年にいたる講演・諸寄稿を含む
  9. 江沢洋著「基礎物理学選書27 相対性理論」裳華房(2008年刊)
  10. Kittel、Knight、Ruderman著「バークレー物理学コース1 力学(上巻)(下巻)」丸善(1975年刊)
    第14章“等価原理”を引用。
  11. D.W.Sciama著(高橋安太郎訳)「一般相対性理論(その物理的意味)」河出書房新社(1970年刊)
    第5章“アインシュタインの赤方変移”と第7章“重力場中の光の運動”を引用
  12. E.シュポルスキー著(玉木英彦、他訳)「原子物理学T」東京書籍(1966年)
    §129“メスバウアー効果”と§130“メスバウアー効果の応用例”を引用。
  13. A.Einstein著(石原純、他3名訳)「アインスタイン全集 第1〜4巻」改造社(1923年刊)
     この第1巻に、特殊相対性理論関係論文の日本語訳が在ります。館内閲覧限定かもしれませんが各県の県立図書館は所蔵していると思います。私は大学除籍本を古書店から購入できたとき嬉しくて舞い上がりました。
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