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Kittel、Knight、Ruderman著「バークレー物理学コース1 力学(上巻)(下巻)」丸善(1975年刊)より引用

等価原理、光子の重力質量

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 エートヴェッシュの実験の本質は上記赤波線部分にあることに注意されたし。つまり装置全体を静かにゆっくり180度回転させても、捩り秤のワイヤーの取り付け部に対して、ワイヤーにぶら下がっている竿の捩りの様子が全く変化しなかったというところにある。
 最初の釣り合い状態において、ワイヤーがすでにねじれているのかどうかは解りませんから、装置全体を180度回転させて捩りの様子が変化するかどうかを確かめることが必要です。
 だから、この実験の精度は[装置全体をいかに正確に180度回転したかという回転角の測定精度]と、180度回転したとき[捩りの様子が本当に変化していないかを確かめる精度]に有ります。
 また、“ねじり秤”の測定精度そのものについては別稿「キャベンディッシュの地球の重さ測定実験における“ねじり秤”について」2.を参照されて下さい。このことについては、剛体の力学の応用例としての説明もご覧下さい。

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 パウンドとレプカ(1960年)、パウンドとスナイダー(1965年)の実験に付いては別稿「一般相対性理論の古典的検証と歪んだ時空」§2-1-2をご覧下さい。


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 上記(14.9)式は、恒星表面の強い重力場のもとでは時間がゆっくり進むことの証拠となる。
 この事と上記の恒星表面から飛び出てくる光子の振動数が赤方偏移(ν→ν’となること)することの関係は非常に解りにくいが、これは別稿の §2-1§3-1§3-7 を注意深く比較検討されると理解できます。特に§3−1の図を検討して下さい。
 つまり、光子を放出した原子の軌道電子は、恒星表面から飛び出てきた光子の無限遠における振動数ν’と同じ振動数で振動していたのです。それは重力場の無いところでの振動数νよりも少ない振動数ν’=ν−Δν で振動していたことを示している。

 “ブラック・ホールの概念”の着想は意外と古く、ニュートンの重力理論が発見され、光りが粒子だと考えられていた段階で、イギリスのジョン・ミッチェルやフランスのピエール・シモン・ラプラスも考えていた様です。
 しかし、彼らの考えた光りがブラックホールから抜け出せないメカニズムと、今日考えられている光りがブラックホールの地平から抜け出ることはできないという時のメカニズムは全く異なります。このことについてはKip S. Thorne著「ブラックホールと時空の歪み」(白揚社1997年刊)の第3章をご覧下さい。特にp120の説明をご覧下さい。ちなみにジョン・ミッチェルはキャベンディシュの実験の捩り秤の発明者です。
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 上記の1801年のゾルドナー(Soldner)の計算に付いては別稿Born「相対性理論」p352を参照されたし。
 また、下記Einsteinの1915年11/18論文は別稿で引用しています。特にそこの[補足説明4]をご覧下さい。



 見積計算については別稿§2-3も参照されたし。一般相対性理論に基づく厳密な計算は「テンソル解析学の一般相対性理論への応用」7.(9)1.をご覧下さい。


 写真のWeberの装置がたどったその後の運命と、彼の報告については、最近出版された
シ゜ャンナ・レヴィン著「重力波は歌う(アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者達)」早川書房(2016年刊)
の5章を参照されたし。


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