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一般相対性理論を理解するための数学的準備

 一般相対性理論に用いられる概念の中で理解するのが難しいのは、“反変・共変の概念”、“計量テンソル”、“クリストッフェル記号”、“平行移動”、“共変微分”、“曲率テンソル”だと思います。それらを理解する為の数学が必要です。
 一般相対性理論を展開するために必要な数学がリーマン幾何学とテンソル解析学(絶対微分学)ですが、正直なところこれらの数学は一般相対性理論以外で用いられることはほとんどありません。多くの物理理論の中で一般相対性理論を理解するためだけに存在する様な数学です。それが、この数学を学ぶための障壁が高い理由なのでしょう。
 この数学の本質は、Sommerfeldtがいみじくも指摘している様に多様体の内部的な、不変な(一般的に言えば、共変又は反変的な)性質に付いての数学なのです。だから、この数学の理解で最も重要なのは下記0180で説明する事柄です。

 一般相対性理論を理解する為の数学的準備のページとして、今までに
 
0177.“微分幾何学3(曲面幾何学)”
http://fnorio.com/0177differential_geometry_3/differential_geometry_3.html
 
0179.“テンソル解析学(絶対微分学)”
http://fnorio.com/0179tensor_analysis/tensor_analysis.html
 
0180.“基底ベクトル・双対基底ベクトルと反変成分・共変成分(計量テンソル・クリストッフェル記号・共変微分とは何か)
http://fnorio.com/0180covariant_contravariant/covariant_contravariant.html
 
0186.“平行移動とリーマン幾何学”
http://fnorio.com/0186Translation_and_Riemannian_geometry/Translation_and_Riemannian_geometry.html
 
0192.“重積分の変数変換とヤコビアン(リーマン空間における多重積分)”
http://fnorio.com/0192Jacobian/Jacobian.html
 
の5つのページを作りました。おそらくこの5稿で数学的な準備は終了すると思います。
 上記5つの稿は互いに補いながら構成されていますので
 
 01800186017701790192
 
 フレーム版   01800186017701790192
 
の順番で読んで頂くのが、最も解りやすいと思います。
 この5つには多くの著者の説明が引用されています。同じ内容についての説明を繰り返し引用していますが、著者により共変微分表記方法リーマン曲率テンソルの定義方法が様々異なります。その事がかえって教育的な効果があるように思います。これらの内容を理解して頂ければ、普通の一般相対性理論の解説本ならば読み通せると思います。

 上記のページが解り難いと感じられる方は、上記を読まれる前に
 
0167.“ミンコフスキーの4次元世界”
http://fnorio.com/0167Minkowski_space/Minkowski_space.html フレーム版
     これが解りにくい方は、この前に下記をご覧下さい。 
     0172“Maxwell方程式系の先見性と電磁ポテンシャル[ローレンツゲージ( Lorenz gauge)の由来]”
     http://fnorio.com/0172foresight_Maxwell_equations/foresight_Maxwell_equations.html フレーム版
     0211“電磁場の非同次波動方程式”
     http://fnorio.com/0211heterogeneous_wave_equation_2/heterogeneous_wave_equation_2.html フレーム版
     0170“4元速度(4元運動量、4元電流密度)、4元加速度と4元力”
     http://fnorio.com/0170four_dimensional_velocity_force/four_dimensional_velocity_force.html フレーム版
          上記4元化のプロセスの源は1905年のEinsteinの論文にあります。
          すなわち、《一般相対性理論への発展の源は特殊相対性理論》です。
          そのため、下記の知識は必須です。
          「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」  フレーム版
          「アインシュタインの公式 E=mc2 の証明」
          「相対論的力学」
          「電磁場の相対性と特殊相対性理論」4.
 
0176.“微分幾何学2(曲面論)”
http://fnorio.com/0176differential_geometry_2/differential_geometry_2.html
     これが解りにくい方は、この前に下記をご覧下さい。
     0175“微分幾何学1(曲線論)”
     http://fnorio.com/0175differential_geometry_1/differential_geometry_1.html
 
をご覧頂くのが良いと思います。
 実際、アインシュタインは、ミンコフスキーの4次元世界Gaussの曲面論 を出発点としてテンソル解析学の学習に入って行ったのですから。
 本稿で紹介する内容を理解された後に、アインシュタイン(グロスマン)が書いた相対論数学についての解説文
1913年3月論文グロスマン担当部 → 1914年10月論文B.共変性の理論抄説 → 1916年3月論文B.一般共変方程式に対する数学的準備 をこの順番に読んで見られると、Einsteinの数学に対する理解が深まっていく様子が読み取れるのではないかと思います。

 ただし、これらの数学で理解できるのはアインシュタインが1912年の秋に到達した段階までかもしれません。その後の展開にはこれらの数学にもう少しリーマン曲率テンソル関係の知識が必要かも知れません。
 私自身まだ曲率テンソルの本当のところが良く理解できていませんので、今後その当たりを勉強していくつもりです。

 アインシュタインは、1912年秋の段階から“重力場方程式”を見つけるまでにさらに3年の歳月を要したのですから、私のような凡人にはもっと時間がかかると思います。
 私どもの、その当たりの理解は全くすすんでいませんので、これからが大変ですが、アインシュタインの1912年秋から1915年秋の段階への学習に、私もやっと取りかかれそうです。 

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