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一般相対性理論への道(アインシュタイン1907年、1911年)

1.導入

 アインシュタインは1915年に一般相対性理論を完成するのですが、ここではその完成に至るまでのアインシュタイン自身の模索過程(1907年〜1913年)をたどります。
 この歩みを始める出発点となった特殊相対性理論については別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」をご覧下さい。特殊相対性理論を学ぶのに1905年の原論分に勝るものはありません。
 そのとき、特殊相対性理論(1905年論文)を学ばれた後に、アインシュタインが1916年(一般相対性理論を完成した翌年)に書いた一般向け啓蒙書“U¨ber die spezielle und allgemeine Relativita¨tstheorie”邦訳名「我が相対性理論」の第1部を読まれることを勧めました。
 ここでは、その第1部に続きまして第2部を最初に読んでおかれることを勧めます。一般相対性理論への導入として、この啓蒙書の第2部に勝るものはありません。

 一般相対性理論は数学的に極めて込み入っており理解するのが非常に難しい。そのため、最初にこの第2部を読まれるのが良いと思います。もちろん、Born文献6の第Z章をお読みになるのも有益ですが、これはアインシュタインの文献3第2部を踏襲したものです。その主なところは上記文献の第2部引用稿中の()書きの節で引用・紹介していますので、とにかく文献3第2部をお読み下さい。
 それをご覧の後にこの稿の1907年12月論文1911年論文にお進み下さい。

 アインシュタインはシュタルクの要請を受けて、彼が発見した特殊相対性理論の総説論文を1907年に書きます。
A.Einstein, “U¨ber das Rela¨tivitatsprinzip und die aus demselben gezogenen Folgerungen”, Jahrbuch der Radioaktivita¨t und Elektronik, vol.4, p411〜462, vol.5, p98〜99, 1907年12月
 この第X章で、後の一般相対性理論に繋がる最初の着想を説明しています。とても興味深い内容なのでこの説明から始めます。以下の訳文は文献1より引用。この論文をお読みになるとき、Pais文献6の第9章を平行して読まれる事を勧めます。Paisの文献中に青色でマークした「アインシュタインの言葉」は下記引用文でも青色でマークしてあります。

 アインシュタインは、この論文の最初に記されている着想が生まれた状況を、1922年の京都講演(別稿のp84〜)で語っています。ここは引用されることが多い有名な箇所ですが、この事の重大性はなかなか理解しがたい。文献4の「一般相対性理論の起源についてのノート」などをご覧いただくのも良いかもしれません。

 

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2.1907年12月論文の第X章 “相対性原理と万有引力”

§17.加速度を有する関係系と万有引力の場



 この論文の段階では一様に加速される系に限られていることに注意されて下さい。つまり加速度が時間的に変化する分けではありません。
 ここがPais文献7のp233で言っている1.等価原理 の所です。

 

§18.一様に加速せる関係系に於ける空間及び時間



 ここの意味は解りにくいが、おそらく次のことを言っているのだろう。
 特殊相対性理論によると物体の変形(進行方向の収縮)は速度に依存した。だから速度が存在すれば物体の変形があるのだが、加速度が積算しないと速度の変化とならない。だから(進行方向の収縮は)各瞬間の速度には依存するだろうが、加速度そのものへの依存の影響は考えなくて良いであろう。








 

§19.万有引力の場の時計に対する影響


 

§20.電磁現象に対する重力の影響









 

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3.1911年論文 “光の伝播に対する重力の影響”

A.Einstein, “U¨ber den Einfluss der Schwerkraft auf die Ausbreitung des Lichtes”, Ann. Der Phys. [4], 35, p898〜908, 1911年
 以下の訳文は文献2より引用。
 この論文をお読みになるとき、Pais文献6の第11章11b.を平行して読まれる事を勧めます。また別稿で引用したインフェルトの記述を参照。さらに、1907年論文のS、Σ、S’系が、この論文ではK、K’、K0に記号が置き換えられていることに注意されて下さい。

 

§1.重力場の物理的性質に対する仮説

 

§2.エネルギーの重さ

 

§3.重力場の中での時間および光速度

 

§4.重力場における光線の湾曲

 

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4.1913年冊子 “一般相対性理論および重力論の草案”

“Entwurf einer verallgemeinerten Relativita¨tstheorie und eine Theorie der Gravitation”
T. Phsikalischer Teil von A. Einstein. U. Mathematischer Teil von M. Grssmann., Leipzig, Teubner. 38pp., 1913年
以下の訳文は文献1より引用。この論文をお読みになるとき、Pais文献6の第 章を平行して読まれる事を勧めます。

 



 

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5.参考文献

 この稿を作るに当たって、下記文献を参照した。

  1. A.Einstein著(石原純、他3名訳)「アインスタイン全集 第1〜4巻」改造社(1923年刊)
    この第1巻から、1907年総説論文第X章の訳文を引用。
  2. 湯川秀樹監修、中村・谷川・井上訳編「アインシュタイン選集2《一般相対性理論および統一場理論》」共立出版(1971年刊)
    この中から、1911年論文と1914年論文の訳文を引用。
  3. A.Einstain著(金子努訳)「わが相対性理論」白揚社(1973年刊)第2部と第3部
    原本はU¨ber die spzielle und allgemeine Relativia¨tstheorie(1917年刊)
     一般向けの啓蒙書ですが、極めて含蓄深い本です。アインシュタインが前書きに述べている様にこの本を読みこなすには、かなりの忍耐力と意志力が必要です。
     ここでは第2部「一般相対性理論について」、第3部「全体としての世界の考察」と附記3、4を引用。この中の第1部「特殊相対性理論について」、附録1「ローレンツ変換の簡単な導き方」、附録2「相対性と空間の問題」は別稿で引用。
     これは近年、「特殊および一般相対性理論について」白揚社(2004年刊)として再版されています。訳文も改良されているようです。ただしこちらは版組が縦書きなので、旧版の方が読みやすい。
  4. A.Einstain著(石井友幸, 稻葉明男共訳)「我が世界観」白揚社(1935年刊、1947年再販)
     これは1922年〜1934年にいたる講演・諸寄稿を含む 。この中のp266〜274「一般相対性理論の起源についてのノート」を引用。
  5. M.Born著(林一訳)「アインシュタインの相対性理論」東京図書(1968年刊)第Z章
     原本のドイツ語初版は1920年刊。
  6. M.Born、W.Biem著(瀬谷正男訳)「アインシュタインの相対性原理」講談社(1971年刊)第Z章
     原本は1964年に発刊。文献3の改訂版です。。Y章、Z章はかなり書き換えられています。しかし、この部分は初版の方が解りやすい。第V章第W章§7〜11第X章第Y章を別稿で引用。
  7. Abraham Pais著(西島和彦、他共訳)「神は老獪にして・・・(アインシュタインの人と学問)」産業図書(1987年刊)
     この解説は秀逸です。一般相対性理論に関係する第9章第11章第12章を引用します。特殊相対性理論に関係する第6章第7章は別稿で引用しています。
  8. W.Pauli著(内山龍雄訳)「相対性理論(上)(下)」筑摩学芸文庫(2007年刊)
     原書は1921年刊です。上記訳本の元本は1974年に講談社から刊行されたもの。(下巻)第W編“一般相対性理論”も熟読する価値あり。
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