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アインシュタイン一般相対性理論への道程(1907〜1914年)

1.導入

 アインシュタインは1915年に一般相対性理論を完成するのですが、ここではその完成に至るまでのアインシュタイン自身の模索過程(1907年〜1914年)をたどります。
 この歩みを始める出発点となった特殊相対性理論については別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」をご覧下さい。特殊相対性理論を学ぶのに1905年の原論分に勝るものはありません。
 そのとき、特殊相対性理論(1905年論文)を学ばれた後に、アインシュタインが1916年(一般相対性理論を完成した翌年)に書いた一般向け啓蒙書“U¨ber die spezielle und allgemeine Relativita¨tstheorie”邦訳名『我が相対性理論』(新版『特殊および一般相対性理論について』)の第1部を読まれることを勧めました。

 ここでは、その第1部に続きまして第2部を最初に読んでおかれることを勧めます。一般相対性理論への導入として、この啓蒙書の第2部に勝るものはありません。
 一般相対性理論は数学的に極めて込み入っており理解するのが非常に難しい。そのため、最初にこの第2部を読まれるのが良いと思います。もちろん、Born文献6の第Z章をお読みになるのも有益ですが、これはアインシュタインの文献3.第2部を踏襲したものです。その主なところは上記文献の第2部引用稿中の()書きの節で引用・紹介していますので、とにかく文献3.第2部をお読み下さい。
 それをお読みになられた後に以下の順番で進まれることを勧めます。

  1.  上記第2部をご覧の後に本稿の 1907年12月論文第X章 → 1911年プラハ論文 → 別稿「一般相対性理論を理解するための数学的準備」 → 1913年論文 → 1914年論文 にお進み下さい。
  2.  本稿を最後まで読まれた後に、別稿「アインシュタイン著『一般相対性論の基礎』(1916年)」をご覧ください。
  3.  上記論文を読まれて一般相対性理論展開の梗概を承知された後に、別稿「アインシュタインの重力場方程式」をご覧ください。

 

補足説明1
 改造社「アインスタイン全集」から引用した論文を読まれるときには下記のPaisの注意に留意されたし。

 上記の注意の中で、特に座標成分に関してですが、反変成分であるので dxμ∂xμ と記すべきです。それにもかかわらず dxμ∂xμ と記す事をかなり後の論文まで(1922年のプリンストン大学四講義録に於いてさえも)続けています。
 この点については、共立出版社「アインシュタイン選集」から引用した論文はすべて修正されています。
 
 また、Σ記号を省略する“アインシュタインの規約”による表現は1916年3月の総説論文[A3]以降について言えるだけですから注意されて下さい。
 
 
 さらに補足すると、クリストッフェルは今日と違う記号を用いたのですが、アインシュタインはクリストッフェルの用いた記号を踏襲しています。すなわちの記号を用いた。
 この点についても、共立出版社「アインシュタイン選集」から引用した論文はすべて今日の記号に修正されています。

 

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2.1907年12月4日論文の第X章 “相対性原理と万有引力”

 アインシュタインはシュタルクの要請を受けて、彼が発見した特殊相対性理論の総説論文を1907年に書きます。
A.Einstein, “U¨ber das Rela¨tivitatsprinzip und die aus demselben gezogenen Folgerungen”, Jahrbuch der Radioaktivita¨t und Elektronik, vol.4, p411〜462, vol.5, p98〜99, 1907年12月,
(https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol2-doc/468)
(https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol2-trans/266)
この論文は改造社「アインスタイン全集」第1巻 2番目論文として邦訳版があります。
 この論文の第X章で、後の一般相対性理論に繋がる最初の着想を説明しています。とても興味深い内容なのでこの説明から始めます。
 この論文をお読みになるとき、Paisの解説(文献9.第9章)を別Windowsに表示して平行して読まれる事を勧めます。Pais文献中に青色でマークした「アインシュタインの言葉」は下記引用文でも青色でマークしてあります。

 アインシュタインは、この論文の最初に記されている着想が生まれた状況を、1922年の京都講演(別稿のp84〜)で語っています。ここは引用されることが多い有名な箇所ですが、この事の重大性はなかなか理解しがたい。文献6.の「一般相対性理論の起源についてのノート」などをご覧いただくのも良いかもしれません。
 以下の訳文は改造社「アインスタイン全集」第1巻 2番目論文より引用。

§17.加速度を有する関係系と万有引力の場



 この論文の段階では一様に加速される系に限られていることに注意されて下さい。つまり加速度が時間的に変化する分けではありません。
 ここがPais文献7のp233で言っている1.等価原理 の所です。ここは、Pais文献7のp230のモーガン原稿の説明を参照して下さい。

 

§18.一様に加速せる関係系に於ける空間及び時間



 ここの意味は解りにくいが、おそらく次のことを言っているのだろう。
 特殊相対性理論によると物体の変形(進行方向の収縮)は速度に依存した。だから速度が存在すれば物体の変形があるのだが、加速度が積算しないと速度の変化とならない。だから(進行方向の収縮は)各瞬間の速度には依存するだろうが、加速度そのものへの依存の影響は考えなくて良いであろう。






上記の式はおそらく別稿「双子のパラドックスと一般相対性理論」5.(4)1.と同じ様な考察で求めたのだろう。


 

§19.万有引力の場の時計に対する影響



注(1)は gh ではなく、GM/r の場と言うこと。両者の違いは別稿「仕事とエネルギー」2.(3)(5)を参照。

 

§20.電磁現象に対する重力の影響









 

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3.1911年6月21日プラハ論文 “光の伝播に対する重力の影響”

A.Einstein, “U¨ber den Einfluss der Schwerkraft auf die Ausbreitung des Lichtes”, Ann. Der Phys. [4], 35, p898〜908, 1911年
 この論文をお読みになるとき、Paisの解説(文献9.第11章11b.)を平行して読まれる事を勧めます。また別稿で引用したインフェルトの記述を参照。さらに、1907年論文のS、Σ、S’系が、この論文ではK、K’、K0に記号が置き換えられていることに注意されて下さい。

https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol3-doc/523
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol3-trans/393#,
以下の訳文は共立出版社「アインシュタイン選集」第2巻 [A1]より引用。
なお、この論文は改造社「アインスタイン全集」第2巻 14番目論文として邦訳があります。

§1.重力場の物理的性質に対する仮説

§2.エネルギーの重さ

§3.重力場の中での時間および光速度

§4.重力場における光線の湾曲


* 訳者注: で紹介されている論文[A3]p.112,(74)式とはこちらです。

 

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4.1913年冊子 “一般相対性理論および重力論の草案”

“Entwurf einer verallgemeinerten Relativita¨tstheorie und eine Theorie der Gravitation”
T. Phsikalischer Teil von A. Einstein. U. Mathematischer Teil von M. Grossmann., Leipzig, Teubner. 38pp., 1913年(この論文は草案なので、最初は小冊子として発刊された、後に学術誌にも掲載された。

 この論文をお読みになるとき、Paisの解説(文献9.第12章p284〜291)を平行して読まれる事を勧めます。

https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol4-doc/324
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol4-trans/163
 以下の訳文は共立出版社「アインシュタイン選集」第2巻 [A2]から引用した。ただし、U.数学の部(Grossmann)は改造社「アインスタイン全集」第2巻 19番目論文より引用しています。


























4-058-02  1.導入  4.1913共著 T.物理学の部(Einstein)

 内山先生は上記の様に言われていますが、「一般相対性理論を理解するための数学的準備」を読了された方には、この論文で採用されている記法の特殊性は殆ど障害とはならないと思います。そのため改造社「アインスタイン全集」第2巻19番目論文からグロスマン担当部分を引用しておきます。内山先生が言われている[A3]B.はこちらです。











































 

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5.1914年1月24日“一般化せられた相対性理論並びに万有引力論についての主要の問題”

https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol4-doc/593
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol4-trans/294
以下の邦訳は、改造社「アインスタイン全集」第2巻 21番目論文から引用。


















 

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6.1914年5月29日“一般化された相対性理論に基づく万有引力理論の場の方程式の共変的性質”

https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol6-doc/34
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol6-trans/18
以下の邦訳は、改造社「アインスタイン全集」第2巻 20番目論文から引用。


























 

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7.1914年10月29日“一般相対性理論の形式的基礎”

 この文献につきましてはPaisの解説(文献9.第14章p317〜319)を参照されたし。

7-254-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END
A.理論の基礎
  § 1.緒論
  § 2.万有引力の場
B.共変性の理論抄説
  § 3.四元ベクトル
  § 4.二階および高階のテンソル
  § 5.テンソルの乗法
  § 6.基本テンソルgに関する二三の関係について
  § 7.最短線ならびに点運動の方程式
  § 8.微分によってテンソルを構成すること
C.与えられた万有引力の場における物理的現象の方程式
  § 9.“物質現象”に対する運動量・エネルギー定理
  §10.連続的に分布する質量の運動方程式
  §11.電磁的方程式
D.万有引力の場の微分法則
  §12.座標系選択の制限の必要なことの証明
  §13.一次的変換に関する共変性、適合せる座標系
  §14.H-テンソル
  §15.場の方程式の演繹
  §16.理論の基礎についての批判的注意
E.ここで展開した一般法則の物理学的内容についての二三
  §17.種々の見方による近似方程式を立てること
END.【訳者注】数式番号についての注意
 
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol6-doc/100
https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol6-trans/42
以下の邦訳は、改造社「アインスタイン全集」第2巻 22番目論文から引用。


7-255-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END






7-260-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END




 上記(2b)式に付いての説明に関しては別稿「基底ベクトル・双対基底ベクトルと反変成分・共変成分」3.[補足説明1]を参照されたし。

7-263-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END

 以下のB.共変性の理論抄説は、1916年論文[A3]「一般相対性理論の基礎」B.でも繰り返し説明しています。そちらの方が解りやすいと思います。


補足説明1
 反変上付指数で表し、共変下付指数で表す事はこの論文から実施されたことに注意されたし。
 
 このとき、座標成分は本来反変成分であるので dxμ∂xμ と記すべきです。それにもかかわらず dxμ∂xμ と記すとしています。この取り決めはかなり後の論文(1922年のプリンストン大学四講義録でさえも)まで続けていますので注意されて下さい。1.[補足説明1]を参照されたし。


7-266-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END








7-274-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END



7-276-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END













7-288-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END




7-292-01

7-292-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END



















7-310-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END


7-311-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END









7-320-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END











7-330-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END









7-338-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END


7-339-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END



7-342-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END








7-349-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END








7-357-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END










7-366-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END








7-373-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END

7-374-00 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END





7-379





7-383-02 TOP A1  B3        10 11  12 13 14 15 16  17 END

 

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8.参考文献

 この稿を作るに当たって、下記文献を参照した。

  1. A.Einstein著(石原純、他3名訳)「アインスタイン全集 第1〜4巻」改造社(1923年刊)
    この第1巻から1907年総説論文第X章を、第2巻から1913年論文第2部1914年論文のアインシュタイン・グロスマン共著論文、及び1914年1/24論文と、1914年10月論文を引用。
  2. 湯川秀樹監修、内山龍雄訳編「アインシュタイン選集2《一般相対性理論および統一場理論》」共立出版(1970年刊)
    この中から、1911年プラハ論文1913年論文第1部を引用。
  3. A.Einstein著(金子務訳)「わが相対性理論」白揚社(1973年刊)第2部と第3部
    原本はU¨ber die spzielle und allgemeine Relativia¨tstheorie(1917年刊)
     一般向けの啓蒙書ですが、極めて含蓄深い本です。アインシュタインが前書きに述べている様にこの本を読みこなすには、かなりの忍耐力と意志力が必要です。
     ここでは第2部「一般相対性理論について」、第3部「全体としての世界の考察」と附記3、4を引用。この中の第1部「特殊相対性理論について」、附録1「ローレンツ変換の簡単な導き方」、附録2「相対性と空間の問題」は別稿で引用。
     これは近年、「特殊および一般相対性理論について」白揚社(2004年刊)として再版されています。訳文も改良されているようです。ただしこちらは版組が縦書きなので、旧版の方が読みやすい。
  4. A.Einstein著(矢野健太郎訳)「相対論の意味」岩波書店(1958年刊)
     1921年にプリンストン大学で行った講義を出版(1922年)したものです。内容は高度で難しい。第3回講義の前半だけ別ページで引用
     Einsteinが1922年に来日した際に東京帝国大学で専門家向けに行った6回の特別講義は、前年に出版されたこの本と同じ内容だったと石原純は文献「アインシュタイン講演録」の中で説明してます。
     「プリンストン四講義」の邦訳版は石原純、他訳「アインスタイン全集」改造社(1923年刊)の第4巻中にも収録されています。これには、アインシュタインの序言も掲載されていますので、その序言を考慮しつつ、矢野訳版と読み比べて見られると良いでしょう。いずれにいても内容はかなり難しいです。
  5. A.Einstein著(中村誠太郎、五十嵐正敬訳)「自伝ノート(1947年)」東京図書(1978年刊)
     アインシュタインが晩年に記した覚え書きですが極めて含蓄深く難解です。この中の特殊相対性理論(第4段落)と、一般相対性理論(第5段落)を引用。
     これは、金子務編訳「未知への旅立ち(アインシュタイン新自伝ノート)」小学館(1991年刊)の中にもドイツ語原文からの新訳があります。この新訳もどうぞ参照されて下さい。
  6. A.Einstein著(石井友幸, 稻葉明男共訳)「我が世界観」白揚社(1935年刊、1947年再販)
     これは1922年〜1934年にいたる講演・諸寄稿を含む 。この中のp266〜274「一般相対性理論の起源についてのノート」を引用。この邦訳版は共立出版社「アインシュタイン選集」第3巻にもあります。これは特に有名な講演で、両邦訳版を読み比べて見られることを勧めます。
  7. M.Born著(林一訳)「アインシュタインの相対性理論」東京図書(1968年刊)第Z章
     原本のドイツ語初版は1920年刊。
  8. M.Born、W.Biem著(瀬谷正男訳)「アインシュタインの相対性原理」講談社(1971年刊)第Z章
     原本は1964年に発刊。文献7.の改訂版です。。Y章、Z章はかなり書き換えられています。しかし、この部分は初版の方が解りやすい。第V章第W章§7〜11第X章第Y章を別稿で引用。また第Z章の一部を引用しています。
  9. Abraham Pais著(西島和彦、他共訳)「神は老獪にして・・・(アインシュタインの人と学問)」産業図書(1987年刊)
     この解説は秀逸です。特殊相対性理論に関係する 6.神は老獪にして・・・、7.新しい運動学 と、一般相対性理論に関係する 9.わが生涯で最も素晴らしい考え、11.プラハの論文、12.アインシュタイン-グロスマンの共同研究、13.重力の場の理論、14.重力の場の方程式、15.新しい動力学 を引用しています。
  10. W.Pauli著(内山龍雄訳)「相対性理論(上)(下)」筑摩学芸文庫(2007年刊)
     原書は1921年刊です。上記訳本の元本は1974年に講談社から刊行されたもの。(下巻)第W編“一般相対性理論”も熟読する価値あり。
  11. https://einsteinpapers.press.princeton.edu/
     本稿で引用したすべての論文の原版及び英訳版が上記URLにありますので、不明な点がありましたら源論文を参照されて下さい。
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