統計力学の基本的な応用例を説明します。これは、久保亮五著「統計力学(改訂版)」共立出版(1952年、改訂版1971年刊)の第3章からの引用です。ただし、解りやすくする為にかなり改変しています。
1.はじめに
2.統計力学の基本的な考え方
3.統計力学の基本的な応用例
(1)熱放射
(2)固体の比熱
(3)フェルミ-ディラック、および ボーズ-アインシュタインの統計
(4)フェルミ-ディラックの統計
(5)ボーズ-アインシュタインの統計
(6)ボルツマン統計
4.統計力学の平衡条件と巨視的状態量
5.統計力学と熱力学の基本法則
上記の式(2.53)は別稿「統計力学」2.(6)3.を参照。
[補足説明1]
上記の式(2.13)については、別稿「統計力学」2.(4)を参照。
実は、熱輻射の問題では、(2.13)式の様な値しか取れないと言うことを導き出すことが最も重要なのですが、その事については、別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」を熟読されて理解される以外に王道はありません!
ここでは、量子論が出てきた過程についてはすべて省略して、別稿「統計力学」1.(1)[補足説明1]で述べた方針に従って議論を進めます。
[補足説明2]
上記の式(2.36)は別稿「統計力学」2.(5)2.[例題1]を参照。
要するに、量子仮説を天下り的に適用して、統計力学のカノニカル分布の手法を用いて求めた。
[補足説明3]
実際にプランクが、当時の実験家が得ていた測定値を用いて、求めたプランク定数の値については別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」9.(3)を参照されたし。
また、光電効果を用いてプランク定数を求める方法は、別稿「光電効果と光子」4-2.2.[補足説明1]を、あるいは別稿「Einsteinの光量子論(1905年)」§8.[補足説明3]を参照されたし。
上記の超越方程式の解法は別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」9.(2)2.を参照。
上記(3.4’)→(3.8)の積分は面倒です。積分の詳細は別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」9.(2)1.を参照されたし。
上記(3.5’)→(3.9)の計算は別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」8.(5)[補足説明2]を参照。
[補足説明1]
上記の式(2.36)は別稿「統計力学」2.(5)2.[例題1]を参照。要するに、Planckの量子仮説を、統計力学の“カノニカル分布”の理論に適用して求めたのです。
実際のところ、Einsteinも、Gibbsが開発した平衡状態の統計力学と同等のものを自ら開発して、Gibbsと同様なカノニカル分布の統計力学を利用して、それに、プランクの量子仮説を適用したのです。
このことに付いてはEinsteinの原論文「輻射に関するPlanckの理論と比熱の理論(1907年)」をご覧下さい。
これは、その当時問題になっていた低温部における固体比熱の変化曲線の謎を完璧に解決・説明するものでした。量子論発展史の中でも、劃期的な業績です。このEinsteinl理論の革新性に比べたら以下で解説されているデバイの改良理論は付加的な進展でしかありません。
上記別稿2.(6)3.はこちらを参照されたし。
[補足説明2]
上記式変形で必要になった積分
は、2.(1)で“ブランクの熱輻射公式”から全エネルギーを求めて“シュテファン-ボルツマンの法則”を確認するときに必要になった積分ですが、ここでも当然現れます。
しかし、2.(1)で引用した別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」9.(2)1.で説明されている様に、この積分は簡単ではなく、具体的な関数形の形のf(T/Θ)のを求める事はできません。そのため上記の様な説明になっています。
ただし、以下で説明する様に T≪Θ の場合には Θ/T→∞ となるが、この場合には f(T/Θ) はある一定値になる。その事については、上記引用先をご覧下さい。
下記の2.(7),および2.(8)は別稿「統計力学」を参照。
上記の【2.(7)の理想気体の取り扱い】はこちらを参照されたし。
上記の式(2.40)式は、別稿「統計力学」2.(6)1.を参照。