物理科学の古典8「第1回ソルベイ会議報告−輻射の理論と量子−」東海大学出版会(1983年刊)より引用した。
ただし、解りやすくする為に、私どもが、適当に章、節、項に分け、式変形を(矢印記入場所に)追記し、さらに(灰色囲み記事の)補足説明、等々・・・を付け加え、また文章の改行、段落分けに関してもかなり改変しています。そのため元の表現は別稿で引用している原本でご確認下さい。
この当たりは別稿「音速の理論2(分子速度と比熱比)」1.(2)などを復習されたし。
この当たりは別稿「マクスウェルの速度分布則1」3.(1)を参照されたし。
粘性係数が流体の密度によらない事は別稿「マクスウェルの速度分布則1」7.を参照されたし。Maxwellは1866年の実験でこの事実を確かめた。
この当たりは、Clausiusの1858年論文を参照して下さい。
後者の英語翻訳版が別稿で引用している“Brownian movement and molecular reality”ですが、その内容の主な所は本報告でも説明されています。
ここは別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」4.(3)を復習されたし。
[補足説明]
上式については別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」4.(4)と、同じ別稿の4.(5)3.(1)を復習されたし。
上記2例の測定値については別稿4.(4)の説明も参照されたし。
[補足説明]
上式が“アボガドロ数”Nを表す事については、別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」4.(5)3.(1)の(5.9)式を復習されたし。
電気素量の測定値に付いて補足します。
別稿「アボガドロ数の測定法」2.で説明する様に、ミリカンが微小な水滴(後に油適)を用いて電気素量を直接測定する実験を始めるのは1909年頃からですが、奇しくも、ミリカンの測定で中心的な働きをするのが、“ストークスの法則”です。
いままで説明してきましたように、ストークスの法則は、アインシュタインのブラウン運動理論やペランの検証実験で重要な働きをするのですが、案外ミリカンは、知らす知らずの内に、彼らの論文から【単独の微粒子について】ストークの法則を用いる着想を得た可能性もあるかも知れませんね。
もちろんこのことは私どもの推測でしかないのですが、いかにもありそうな気がします。もちろん“ストークスの法則”自体は、別稿2.(3)[補足説明4]で説明していますように、水滴の集合体である雲状の雲粒の沈降に対して、トムソン、やウィルソンがすでに繰り返し用いていますので、ミリカンもその利用方法については十分承知していましたから、上記の様な穿った推測は勇み足かも知れません。
上記Einsteinの2論文は、別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験}2. と 3. をご覧下さい。
[補足説明]
上記§25はかなり省略した説明なので解りにくい。そのため補足します。
まず関係式
ですが、これは別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」2.§4の式
でn=1と置いたものに相当します。そのため上記の ξ は、そこの (2Dt)1/2=λx のことです。
故に上記 E2/3 は、 ξ2=2Dt/3=λx2 となりますので、E2 はEinstein論文に書かれている “粒子の3次元的な合成変位の2乗平均値 (λx√3)2” を意味します。つまり
の関係を意味します。この式変形については上記別稿2.§4[補足説明5]を参照。
だから最初の式の x は三次元的な距離 r を表しており
の事です。
さらに、上記の式
は以下の事を意味します。
この計算式に付いては別稿「マクスウェルの速度分布則1」3.(1)をご覧下さい。そこの図の速度ベクトルの分布を位置ベクトルの分布に読み替えて下さい。
j
[補足説明]
上記§28のPerrinの説明は解りにくい。全く同じ内容が別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」2.§4でEinsteinによって展開されていますので、それと対比しながらお読みになる事を勧めます。
ただし、Perrinは関数表記を
の様に、f と φ を入れ替えて用いています。
また偏微分表現も
の様な特殊な表記を用いていますので、そこの所は左側の通常の表現で読み替えて下さい。
そのため“拡散方程式”の表現は
の様に対応し、“変位の二乗平均値”の表現は
の様に対応します。
[補足説明]
ここの§29の説明は、別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」2.§3 と 2.§5 のEinsteinの説明をそのまま引用したものですから、Einsteinの原論文と比較されて見て下さい。
Perrinは、ブラウン運動そのものではなくて、同種の粒子(半径a)が含まれた乳濁液の円柱を考え、これらの粒子の垂直方向の拡散現象による分布の平衡状態を想定して説明しています。そのためより具体的なイメージがつかみやすく、Perrinの説明の方が、Einsteinの説明よりも、解りやすいかも知れません。
もちろん、乳濁液の垂直分布を生じる拡散現象もブラウン運動的な動きに従って実現されるものですから、Einsteinに取っては、両者の関係は自明のものだったのかも知れません。
註3)の論文は別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」2.で引用しています。
註4)の論文は別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」3.で引用しています。
上記は、2次元のデータから1次元の議論にするための操作。例えば、別稿2.§4.[補足説明5]を参照。今は2次元→1次元だから√2倍にすること。
上記の結果が江沢洋著「誰が原子を見たか」の第7章§26.p285〜286で説明されているものです。
上記の測定が別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」4.(5)1.の最後に紹介されている実験だろう。そこでは2次元の分布を1次元に射影した分布に直したグラフ(図5-8)にしていることに注意。
[補足説明]
上記の Seddigの実験(1908年) についてはは、別稿「Einsteinのブラウン運動理論とPerrinの検証実験」4.(5)2. の米沢氏の説明もご覧下さい。
上記Einstein論文の計算間違いは有名な所でして、その発見・訂正の顛末についてはA.Einstein著、ジョン・スタチェル偏、青木薫訳「アインシュタイン論文選 『奇跡の年』の5論文」ちくま学芸文庫(2011年刊)のスタンチェル氏の説明をご覧下さい。
ここは別稿「アボガドロ数の測定法」2.(3)[補足説明4]、さらにジョージ・P・トムソン著「J.J.トムソン(電子の発見者)」第4章も参照されて下さい。
上記(§29)はこちらを参照。
空気層の耐電圧は10000volt/cm程度です。そのためMillikanは実験・観測中にしばしば生じる放電破壊に悩まされたようです。それほどの高電圧をかけないと帯電した液滴を浮かす事ができないほど帯電電気量は小さかったということです。
[補足説明1]
現在解っているアボガドロ数の値( 6.02214076×1023 mol-1)には、Perrin達が求めた値よりも、Millikanが求めた値( 5.9×1023 mol-1)の方がはるかに近い。
このPerrinの報告は1911年であることに注意して下さい。
別稿「原子を構成する粒子の静的性質“電気素量”」4.で説明する様に、後の1913年からMillikanは Stokesの法則からのズレによる不確かさを避ける巧妙な方法 を確立して、Perrinが指摘する不確かさを回避しています。
Millikanの測定値の精度はMillikan自身が明確に理解していたように空気の粘性率の精度に依存していたのです。
ここは別稿「アボガドロ数の測定法」1.も参照して下さい。
上記論文1)はこちらで引用しています。以下は、この論文で利用された“ガイガーカウンター”の作動原理の説明です。
上記の測定値を報告した論文はこちらです。この当たりは別稿「アボガドロ数の測定法」1.も参照。
ここは別稿「プランクの熱輻射法則(1900年)」9.(4)も参照して下さい。
[補足説明1]
現在解っているアボガドロ数の値( 6.02214076×1023 mol-1)には、Perrin達が求めた値よりも、Planckが求めた値の方がはるかに近い。そのため、下記のPerrinの説明には疑問符がつきます。