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EinsteinからSommerfeldへの書簡(1915年11月28日付)

 アーミン・ヘルマン編・著「アインシュタイン/ゾンマーフェルト往復書簡」法政大学出版局(1971年刊)のp28〜35より引用。これは引用文献として特に有名な書簡です。これはまた、Sommerfeldが著書「電磁気学」§38で引用紹介しているものです。
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 上記のEinsteinの1933年のグラスゴー大学における講演「一般相対性理論の由来について」は別稿で引用しています。
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 上記文中の18秒という数字の意味はこの手紙だけからは読み取れませんが、これはおそらく、友人のミケーレ・ベッソーと一緒に1913年に計算した水星の近日点移動の一般相対性理論による効果値の事を指しているのでしょう。この計算については別ページをご覧下さい。この中に引用されているMichel Jonssen."The Einstein-Besso Manuscript: Looking over Einstein's Shoulder,"のEBms.pdfファイルはネットから無料ダウンロードできます。また、Einstein-Bessoの論文草稿はプリンストン大学のアーカイブスからダウンロード可です。https://einsteinpapers.press.princeton.edu/vol4-doc/382 ですが、これはp360〜473の大部なものです。
 水星近日点移動そのものについては、別稿Sciama文献8.をご覧下さい。
 Einsteinが、以前の論文で間違っていた点として挙げている上記(1)(2)(3)の事柄についてはPais文献「神は老獪にして・・・」14c.1.をご覧下さい。上記の1913年の論文草稿の存在はアインシュタインの没後30年経って判明した様ですので、Paisが「神は老獪にして・・・」を書いた時点(1982年)では知られていません。だから、(2)の説明にこのことは記されていません。Paisが知っていたら当然記したことでしょう。
 上記ページの1行目に記されているフロイントリッヒの太陽重力による光線湾曲を観測するロシア遠征の顛末についても、前記別ページ引用のレヴェンソン文献の続きの部分に書かれていますので、どうぞお読み下さい。
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 手紙の文末に上げている古典的検証の太陽光での光線の振れを確認する最初の試みとして、ジョージ・ヘイル宛書簡を参照。
 水星の近日点移動の異常値を説明する初期の試みについて補足する。内山龍雄文献(「アインシュタイン選集U」p16)によると、1905年頃に特殊相対性理論を使って近日点移動の説明を試みているそうです。それは水星の質量が速度と共に変化することで説明しようとするものだったようです。あるいは、1907年12月のハビヒト宛の手紙も参照されて下さい。いずれにしてもEinsteinにとって水星の近日点移動の異常値は早くから意識の中にあった様です。
035_1 以下は書簡原文のコピー

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