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1919年5月29日の皆既日食観測の顛末

 太陽重力場による光の屈曲を確認した1919年5月29日の皆既日食観測の顛末については、チャンドラセカールの解説が秀逸です。
 以下はスブラマニアン・チャンドラセカール著「真理と美(科学に於ける美意識と動機)」法政大学出版局(1998年刊、原本は1987年刊)のp214〜227から引用した。元は1982年に行われたチャンドラセカールの『アーサー・スタンリー・エディントン生誕百年記念講演』の中の一節です。 (アラビア数字)は著者注、(漢数字)は訳者注です。

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解説書がよく取り上げている見解は、チャンドラが紹介している上記のラザフォードの説明の様ですね。
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 上記のエディントンの『三人目の人は誰なのか考えていた』と言う言葉の意味は世の中で誤解されています。エディントンは当時一般相対性理論を正しく理解している人が大勢いることは十分承知していました。だからアインシュタインと自分以外に一般相対性理論に通じている人としてどのような人びとがいるか思い浮かべていたということです。それがへんに誤解されたので、エディントン自身もその事を面白がっていたということなのでしょう。チャンドラの解説によるとそれが本当のところの様ですね。
 また、“ダイソンとコッティンガムの会話の逸話”は屈曲量が古典論の二倍になることを確認することが重要だったことを強調するために、エディントン自身も旨く利用していた様ですね。
224-225

 チャンドラがあえて確率の話を付け足しているのは、この観測が極めて難しいものであり、その信頼性がかなりあやふやであったことをそれとなく説明するためでしょう。別稿の2−2シアマの説明を御覧下さい。
226-227

 上記のEddington著『相対性の数学的理論』“The mathematical Theory of Relativity”(1923年)はpdfファイルとして無料ダウンロードできるサイトがネット上にあります。別稿でも説明したようにSommerfeldもこの著書を高く評価しています。

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