HOME   アフガニスタンと中東情勢(2008年8月)   サイトマップ

パレスチナとイスラエルの戦闘を愁う(2021年5月17日)

 2021年5月10日に始まったパレスチナとイスラエル間の戦闘が続いています。その事を愁いて記す。

 私は、イスラエルのテルアビブに在勤していたジェトロ(日本貿易振興機構)職員の方が、イスラエルとパレスチナの間の紛争を愁いて、有志と共にあるNPO法人を立ち上げられたのを知っています。
 それはイスラエルやパレスチナなど紛争地域の青少年の交流を通じて平和な文化の創造を目指し、次代を担う若い世代が相互に理解し、尊重し合える力を育む「場」を提供する活動です。
 具体的には、毎年イスラエル、パレスチナから数名の若者を日本の山村に招き、日本の若者と共に2週間の合宿プログラムを実施して、自然の中での共同生活を通じて、互いの文化、伝統、を共有し互いの理解と絆を深める事を目的とした活動です。

 このジェトロ職員の崇高な試みが実を結ぶかどうかは解りません。おそらく実を結ぶのは難しいでしょう。それなのになぜ上記の活動を紹介したのかというと、これとは対極にある愚かな考え方に陥った発言をする人が増えてきたからです。
 あらゆる暴力は否定されるべきです。たとえ一方の暴力を否定していても、もう一方の暴力を肯定する様な発言は間違っています。その様な発想は上記のNPOの活動の対極にあります。

 あらゆる暴力沙汰には、双方のそれぞれの側に言い分があります。その言い分の本当の所を見極めないと、こういった紛争の解決は不可能です。
 以下に述べる見解は間違っているかも知れません。しかし、ここ何十年にもわたって繰り返されてきたパレスチナとイスラエルの紛争を見続けてきた我々には、その原因は、イスラエルの領土的野心にあるように思えてなりまん。
 イスラエル国民にとっては、何千年にもわたって迫害されてきた歴史から、パレスチナは我が領土という思いもあるのかも知れません。しかし、現在そこに住んでいるパレスチナ人に取ってイスラエルは、パレスチナ人に対して難癖を付けては領土を巧妙に取り上げてゆく単なる侵略者でしか有りません。 
 このことは、ここ何十年もにわたる歴史的事実です。

 このたびの紛争でも、イスラエルは十分な防空壕と防衛体制を準備していたようですが、1500発と言われるロケット弾の発射により9名が死亡しています。一方ガザ地区の死者は192名となっています。
 このたびの紛争のきっかけとなった発端は
https://jp.reuters.com/article/explainer-jerusalem-tensions-idJPKBN2CU0AW
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210512/k10013027051000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
の様です。
 このたびの紛争のきっかけも、今まで何度も繰り返されてきたパターンと同じです。結局ハマスはイスラエルのネタニヤフ首相の策略に嵌められているようです。イスラエルにおいてロケット弾による被害が少ないのも、その被害を少なくする為の迎撃ミサイルの準備を十分整えた上での行動で、ロケット弾による被害も織り込み済みのリスクなのかもしれません? 実際、ハマスが発射したロケット弾の大半はイスラエルの迎撃ミサイルによって破壊されているようです。
 おそらくイスラエルの諜報機関はハマスが保持しているロケット弾の数も集積場所も事前に把握していたと思います。実際、イスラエルの司令官はその事実を公表しており、イスラエルの空爆もハマスのロケット基地や、その司令部を爆撃しているのだと主張しているのですから。
 ハマスが、何発発射可能かなども十分調べた上で、しかも迎撃ミサイルの準備も十分整えた上での上記の嫌がらせの開始であり、ガザ地区への侵攻作戦の口実を得るための策略のように思えます。
 これは、私どもの推測でしかないのですが、ここ何十年にもわたって繰り返されて来た同様の紛争開始パターンを見てきたものに取ってはこれが事実の様に思えてなりません。

 88歳で亡くなった私の母も、92歳で亡くなった家内の母も、晩年は認知症を患っていました。そのため晩年は最近の事は思い出せないのですが昔話を良く語っていました。不思議なことに昔の若い頃の事は思い出せたのです。
 私も最近頭蓋骨が変形してきていますので脳が縮んでいるのが解ります。認知症が始まっているのかも知れません。しかし、私は以下に述べる47年前の事は良く覚えています。
 別稿「ユーラシア事情1975年」に記したように、モスクワからウィーンへ向かう列車でイスラエルへ移住するユダヤ人一家と知り合ったのです。彼らが故郷を捨ててイスラエルへ移住する事になった事情はわかりませんが、人の良さそうな両親と息子達でした。
 彼らは私の事を旅の道連れと思ったのでしょう、彼らのコンパートメントに招待して食事をご馳走してくれたのです。さらに、ソ連とポーランドの国境で、荷物検査の為に沢山の荷物を持って一端下ろされて、検査が終わってフウフウ言いながら大荷物を抱えて列車に戻ってきたのを覚えています。列車に乗り込む時の彼らのヤレヤレといった表情、また食事に招待してくれたとき、互いのつたない英語の会話のとき示した、彼らの善良で朴訥な人柄がにじみでるような表情を覚えています。
 彼らは、今イスラエルのどこかで生活しているのでしょう。彼らには、パレスチナ人の土地を侵略しようと言うような思いはみじんも無かったと思います。
 ミュージカル映画に“屋根の上のバイオリン弾き”というのがありました。またポール・ニューマンが主演した“栄光への脱出”という映画がありました。これらの映画が真実を描写しているのかどうかは解りません。
 でも、今のイスラエルの人びとが支える政府の考えは間違っている様に思います。
今もし、Einstein、Levi-Civita、Hausdorff などが生きていて、今のイスラエル政府の状況を見たら嘆き悲しむでしょう。 

 それにしても、昨年度のアメリカの元大統領のトランプ氏ぱ彼の利害につけ込まれてネタニヤフ首相の計略に陥らされた様です。昨年エルサレムを訪れたときにトランプ氏が取ったパーフォーマンスを見て、おそらく世界の人びとの中にはその思わせぶりな仕草に嫌悪感を覚えた人も多いのではないでしょうか?
 今のバイデン大統領が、このたびの紛争解決に対してどの様な行動を取るか世界中の人びとが見ています。どうか賢明な選択をされる事を祈っています。

 

HOME   アフガニスタンと中東情勢(2008年8月)   サイトマップ