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質量、時間、長さの標準単位

[質量の単位1kg]
 初め「一辺が10cmの立方体の体積の最大密度における蒸留水の質量」と定義されたが、第1回国際度量衡総会(1889年)で、“直径、高さとも39mmの円柱形で、白金90%、イリジウム10%の合金でできている「国際キログラム原器(1879年製造)の質量」”に置き換えられて今日に至っている。
 この原器はフランスのパリ郊外セーヴルの国際度量衡局に、二重の気密容器で保護された状態で保管されており、世界で唯一のすべての質量計測の基準です。

キログラム原器の世界  キログラムの再定義  シリコン格子定数の絶対測定  富山小太郎「力学の原理」

[時間の単位1s]
 初め地球の自転による定義(1秒=1日の86400分の1)が用いられたが、地球の自転には季節変動や経度変動などがあるので、1956年には地球の公転に基づく定義(1秒=1900年における1太陽年の31556925974分の1)に変更された。
 
 その後、さらに高い精度を出せる原子周波数標準の研究が進み、セシウム原子133Csの固有状態に基づく秒の定義が第13回国際度量衡総会(1967年)において採択された。
 今日“時間の単位1sとは133Cs原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の時間”です。

 

[長さの単位1m]
 初め地球の子午線の長さに基づいたメートル原器として実現した。このメートル原器は第1回国際度量衡総会(1889年)において国際的に採用された。[“メートル”の由来とその定義
 
 その後、第11回国際度量衡総会(1960年)でクリプトン86原子のスペクトル線の波長を用いて定義することになった。それは86Kr(2p10-5d5)の遷移に伴う光の波長(0.6057802105μm)の1650763.73倍を1mとするものでした。
 
 しかし、レーザ技術の発展により、第17回国際度量衡総会(1983年)にて真空中の光の速さを用いた定義に変更された。今日“長さの単位1mとは光が1/299792458秒間に進む距離”です。
 
  第17回国際度量衡総会(1983年)において定められた光速度の定義値は、1972年に米国国際度量衡委員会のエベンソン達が求めた値 c=2.997924562×108±1.1m/s [K.M.Evenson, et al., “Speed of Light from Direct Frequency and Wavelength Measurements of the Methane-Stabilized Laser”, Phys. Rev. Lett., 29(19), p1346〜1349, 1972年]が元になったようです。
 その値は、メタン安定化He-Neレーザー光(λ=3.39μm)周波数νを時間の基準となっている133Cs原子時計と比較して求めた値 ν=88376181627±50Hz と、レーザー光の波長λをそれまでの長さの基準であった86Kr(2p10-5d5)の遷移に伴う光の波長(0.6057802105μm)と比較して求めた値 λ=3392231.376±0.012pm から c=λ×ν で計算されたものです。詳細は別稿「光速度測定の歴史 6章」をご覧下さい。
 この値の信頼性がその後10年間にわたって検証され第17回国際度量衡総会(1983年)で“光速度の定義値c=2.99792458000・・・(以下ゼロが無限に続く)×108m/s”が採択された。
 “長さの定義”はこの“光速定義値”“時間の定義”に基づいています。

光速度測定の歴史   計測機器資料1   プランクの自然単位

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