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様々な分野に出てくる直列結合と並列結合の説明です。この理論の前提は、回路を構成する個々の素子について2つの変数A、Bが関係していて、A=kBの関係が成り立つことです。kは比例定数で、その素子の特徴を具現する。そのとき、それらの素子を並列・直列に結合して、それらを一つの素子と見なしたとき、その比例定数がどの様になるかを調べる。
直列または並列で結合したものの合成比例定数は、関係式の二つの変数AとBの内どちらが和になり、どちらが共通かを理解すればただちに求めることができる。
抵抗を並列や直列に結合したときの合成抵抗の求め方です。
バネを並列や直列に結合してそれらを一つのバネと見なしたときのバネ定数の求め方です。
ここでバネ定数k1、k2、・・・・がすべて等しく同一の値k0とおける場合を考える。バネ定数k0のバネN個をすべて並列につないだら、その合成バネ定数kはk0のN倍になる。またすべてを一直線状に直列につないだら、合成バネ定数kはk0の(1/N)倍になる。これは別稿「音速の理論」や「波動方程式と一般解」で利用される。
コンデンサーを並列や直列に結合してそれらを一つのコンデンサーと見なしたときの合成容量の求め方です。
1と2、3では合成比例定数の形が直列、並列で逆になっていることに注意。このとき1におけるオームの法則を
の形に書き直し抵抗Rの逆数をk(伝導度と言う)として
とすれば、合成比例定数の形は以下のようになり、2、3と同等な関係式になる。
オームは伝導度から抵抗という考え方に視点を変えることにより、回路全体の抵抗は部分の和になることを示してオームの法則を発見した。(「オームの法則」を参照)
交流線形回路では、直列の場合複素数表示のインピーダンスを用い、並列の場合その逆数の複素数表示のアドミタンスを用いると、合成比例定数はそれぞれの和で表され計算を簡単化することができる。そのあたりの事情は「交流電源とRLC回路」を参照。