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ナンバ走り4(アテネオリンピック出場選手の場合)

 2004年8月ギリシャのアテネで開催されたオリンピック陸上競技のトップランナーのフォームを観察すると別稿「ナンバ走り1」の中で説明した上体の揺り動かし(特に腹部から胸にかけての)を用いた効率的な走法を実行していますね。

本文中にリンクしてある動画が見られない場合は、編集方針をご覧いただくか3.映像ダウンロードのファイルをご利用ください。

(1)トップランナーの動き

 いずれの選手も末續選手と同じように下半身の動きを妨げない上半身の動きをしており、これが上半身と下半身が一体となった伸びのあるフォームを生み出している。しかも肩から胸にかけての振りは末續選手よりより強力に行われており、腕の振りも末續選手より大きくなっている。
 そのときの特徴は左右の肩を前後に倒すと言うのではなくて、胸から肩にかけてのラインを水平に保ったまま、左右の部分を前後に交互に揺り動かし胸から下の腹部から腰部にかけて左右のパーツを交互に前後に倒して効率化を実現している。上体部と腰部の連携の仕方は選手ごとに微妙に異なっているが前記の本質は共通である。
 さらに腰から肩までの上体部の左右の揺り動かしにより腰の水平ラインの動き(前記「ナンバ走り1(2)ナンバ走りのイメージ」参照)が引き出されている。

 上半身とくに左右の両肩、両胸、左右の腹部が両脚の動きを引き出していることがわかる。上体が脚部の動きを妨げないだけではなく、さらに効果的に連動して前後の揺り動かしに促されるようにして下半身が動いている。特に左右腹部から両胸にかけての鋭く強烈な動きが腰から大腿部にかけての下半身の動きを強烈にサポートしてる。その当たりは選手のユニフォームの体側ラインの動きで良く解る。

 さらに注目すべきは前記「ナンバ走り1(1)普通の走りのイメージ」で説明した旧タイプの走りでは腕の振りは上記の上体の動きを妨げるように動くのだか、トップ選手の腕の振りは腹部から胸にかけての動きを助けるように動かされていることである。トップ選手の腕の振りは明らかにナンバの上体の動きを増長させるようなタイミングで動かされている。旧タイプの振りで大きく振るとナンバの動きを妨げてしまうが、末續選手の様な腕の振りをさらに大きくすることで、ナンバ的上体の動きを鋭く力強い形でより効率的に引き出せるようだ。この腕の振り方は特に注目すべき

 

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(2)映像例

 以下の映像を仔細に分析してみると、世界のトップレベルの選手はナンバの動きの本質を自分の走法の中でさらに進化した形で実現しているのが解る。

1.男子100m決勝

 出走レーン 1.Collins  2.Zakari  3.Gatlin  4.Crawford  5.Obikwelu  6.Powell  7.Greene  8.Thompson

 特に第3レーンGatlinと第7レーンGreeneに注目。彼らの体側のラインの動きを見れば、腰から胸にかけての動きがいかに有効に腰の動きを引き出しているかが解る。またこの二人の膝から下の向こう脛の部分がいかに楽にかつきれいに前方へ振り出されているかに着目。まさに小山裕史氏がいうところの初動負荷理論に乗っ取って、身体の中心部の筋肉群で力を発揮し、その筋肉群から出た力をうまくつかって手足などの末端部を動かしている。末端部に位置する腕や、膝、ふくらはぎの筋肉はリラックスしてできるだけ余分な張力を発生させないで道具としてつかわれる。末端部が勝手に、自然に動く反射運動を最大限引き出して早くて、しなやかな動きが達成されている。

2.男子100m準決1組

 3レーンCrawford、4レーンGatlin選手の正面からの映像です。両者の胸のUSAのマークが左右に鋭く動いている事に注目。Crawford選手は200m優勝者。Crawford選手の方がGatlin選手より、より大きく上記のメカニズムを用いている。Crawford選手の方が胸から肩にかけての部分をより強力に動かすために後ろへの腕の振りが小さい。後ろへ振りを小さく止めることで胸から肩部の後ろへの鋭い移動を引き出しているようだ。また腕振りの肘の位置が体側より離れた振りになっている。そのため100mより200mでCrawford選手の省エネ走法の真価が発揮できたのだろう。

3.女子1500m予選

 上体と脚部の連携の仕方が様々見られる。そして旨く協調して動かせている人とそうでない人の違いが良く解る。連携が旨くできている人のフォームは美しい。見ていて飽きない。

4.女子マラソン(映像は省略)

 日本の3選手を含め、上体と脚部の連携が旨くできている人が何人もいる。そういった人のフォームは美しい。

5.100m×4リレー決勝における朝原宣治選手の走り(映像は省略)

 100m×4リレーのアンカーとして素晴らしい走りを見せたのですが、この走りにおける朝原選手は上体を効果的に動かし上記の腰の動きを引き出している。ユニホーム体側ラインの鋭い動きで良く解る。おそらく彼の良い時の走りでは上記の動きが実現できているのだと思う。このときの彼の腰の動きは「ナンバ走り2」のなかの彼の走りとは明らかに違う。

 

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(3)映像ファイルのダウンロード

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該当ファイルの対応関係は以下の通りです。   ファイル名        サイズ

  1. 男子100m決勝                Gatlin_Greene.wmv   33.9MB
  2. 男子100m準決1組              Crawford.wmv       16.5MB
  3. 女子1500m予選               woman1500.wmv     70.65MB

 ダウンロード用映像ファイルをAVI形式からより圧縮率の良いWMA形式に変更しました。そのため提供を中止していたファイルを一部復活いたします。(2013年8月5日)

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