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平衡定数を用いて酸・塩基反応のpH変化を議論する。
濃度でいくと難しいので、水1リットルに溶質を直接溶かして議論する。
ここで、今後必要になる以下の変形を注意しておく。
濃度で考えると難しくなるので0.1mol/lのHCl水溶液や酢酸水溶液1リットルに、固体のNaOHを直接溶かし込んでいき、pH変化を見る
詳細は「塩の加水分解」を参照
濃度で考えると難しくなるので0.1mol/lのNaOHl水溶液やアンモニア水溶液1リットルに、気体のHClを直接溶かし込んでいき、pH変化を見る。
詳細は「塩の加水分解」を参照
濃度で考えると難しくなるので0.1mol/lの酢酸水溶液1リットルに、気体のアンモニアガスNH3を直接溶かし込んでいき、pH変化を見る
1.当量点よりも少ない弱塩基が加えられた部分の滴定曲線は、弱酸を強塩基で滴定した2.(2)の場合とまったく同じになる。なぜならH+とOH−は非常に仲が良くて、出会うとたちどころに水になってしまう。そのため加えた弱塩基は直ちに完全解離まで平衡が移動し強塩基と同じ働きをする。
2.当量点でのpHは弱酸、弱塩基の解離定数による。これは弱酸と弱塩基の中和でできた塩を純水に溶かしたとき、塩の加水分解が生じて示すpHと同じである。たとえば酢酸をアンモニアで滴定する場合の当量点におけるpHは塩CH3COONH4の水溶液が加水分解の結果示すpHと同じである。ここの議論は込み入っているので別稿「塩の加水分解」で説明するが、結論だけ述べると以下のようになる。
3.当量点を過ぎて、さらに弱塩基を加えるていく部分の滴定曲線は、ただの水に弱塩基を加えていく1.(4)の議論と同じになり、そのときのpH曲線が再現される。
前記(5)の1.2.3.で弱酸と弱塩基の記述を入れかえればそのまま成り立つ。
数式をもちいた滴定曲線の導出は「中和滴定曲線の数式による議論」を参照せよ。