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潮汐周期

 太陽による潮汐の周期は12.00時間ですが、月による潮汐の周期は12.42時間になる。そのようになるのは、月が太陽に対して時々刻々動いているからです。

 地球表面上のある地点で、太陽が南中してから次に南中するまでの時間を“1太陽日”と言い24.00時間です。これは下図緑色矢印の角度を地球が自転する時間です。この角度は約360.986度になる。なぜなら地球は1恒星年=365.256日で太陽の周りを1周するので1太陽日当たり、地球は360度÷365.256日=0.986度/日だけ余分に回転しなければならない。
 ちなみにある特定の恒星が南中してから次に南中するまでの時間を”1恒星日”と言います。これは1太陽日よりも0.986°少ない回転角度ですから、1太陽年よりも約3分56秒短くなります。これは当然のことながら1日を365で割った値です。そのため1恒星日=23.9344696時間です。

 “1恒星年”は太陽が天球上の同一恒星に対して一周する時間のことで、地球の公転周期です。これは季節の変化を基準にした暦の上での1年(これを1太陽年=365.24219879日=365日5時48分46秒と言う)とは異なるので注意。
 “1太陽年”とは天球上の太陽の経路である黄道と赤道の交点(春分点)に対して太陽が一周する時間のことで、季節の変化を基準にした1年です。これが暦の上での1年ですが、春分点は時と供に移動していくのでいわゆる公転周期とは異なり、それより少し短い。
 春分点が移動するのは地軸の歳差運動(みそすり運動)のためであり、その周期は約25800年です。その移動方向は太陽の移動方向とは逆向きなので1恒星年より1太陽年の方が少し短くなる。

 同一恒星に対して月が一週する時間は “1恒星月”=27.321662日=27日7時43分12.0秒 です。だから月は同一恒星に対して1太陽日(24.00時間)あたり 360÷27.321662=13.176度 回転する。
 一方、月が太陽の方向を通過してから、次に通過するまでの期間を“1朔望月(サクボウゲツ)”という。つまり月が朔(新月)から次の朔まで、または望(満月)から次の望までに要する時間のことです。。季節により多少変動しますが、平均で約29.5306日=29日12時44分2.9秒です。従って月は1太陽日(24.00時間)あたり 約360÷29.5306=12.19度 だけ太陽の東の方向へ移動することになる。下図参照

 ところで地球が月に対して1回転するには (360+13.176+α)度 回らねばならない。この余分な角度αは以下のように計算する。
 地球が24時間分回転した後に更に余分な角度である(13.176−0.986=12.19)度を自転する間に月が更に移動する。地球が(13.176−0.986=12.19)度回転する時間は 24.00時間×{(12.19度/360.986度}=0.810時間だから、その時間内に月は約13.176度×(0.810時間/24時間)=0.445度だけ更に進んでいる。地球が更にこの角度だけ回転するのに0.030時間かかるので、月は更に0.016度進んでいる。そのため地球は更に余分に回転しなければならない。以下同様に考えて、地球が月に追いつくまでの、これらの余分な角度をすべて加えあわせたものがαです。その計算値はα=0.462度となる。

 結局、地球が月に対して1回転する時間は地球が(360+13.176+0.462)度=373.638度自転する時間です。ところで地球は360.986度回転するのに24.00時間要するので、373.638度回転する時間は24.00時間×(373.638度/360.986度)=24.841時間となる。これを“1太陰日(タイインジツ)”という。要するに、月が子午線を通過してから再びその子午線を通過するまでの時間の平均値のことです。この自転時間“1太陰日”の間に月による潮汐の干満を2度経験するので、月による潮汐の周期は24.841÷2=12.42時間となる。

太陽による潮汐の周期は、当然の事ながら1太陽日=24.00時間の半分の12.00時間です。

[補足説明1]
 正確に言うと地球の中心が図の公転軌道上を移動するのではない。別稿「潮汐力」2.(ロ)で説明したように地球と月の共通重心Gが上記公転軌道上を滑らかに動いていくのです[Gと地球中心の距離は約4670km]。そのため、月が地球の周りを公転するのに伴って、地球は上記の公転軌道に沿いながら波打つた軌道を移動することになる。
 また、同様な理由で、地球の公転軌道の中心(つまり太陽と地球の共通重心)は太陽の中心ではなくて450kmほどずれた位置にある。
 上記の説明はそのあたりの誤差をすべて無視している。

[補足説明2]
 月の子午線通過の遅れは平均して1日に0.841時間=50.47分です。しかし、月の軌道が楕円軌道であることと、その軌道面が地球の軌道面に対して傾いていることから、この遅れは38分から66分の範囲でかなり変動します。だから前記の“1太陰日”=24.841時間はあくまで平均値であることを忘れないでください。

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