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スネルの法則(1621年)

 ヴィレブロルト・スネリウスWillebrord Snell van Roijen(1591‐1629オランダ)は屈折法則の発見をどこにも発表しなかったが、ホイヘンスとイサーク・フォスは彼の原稿を見たと言っている。スネルは今日の形式ではなくて、CA:CB=3:2で、この比は入射角によらず一定であると述べている。(下左図参照)

上記の関係式は上右図から明らかなように

なお、今日の形で言い表したのはデカルト(方法序説第2章 1637年)である。

 スネルは1615年の地球の測定でも有名で、精密さにおいて始めてエラトステネスをしのいだ。彼はこの測定において三角測量を用いた。つまり非常に精密に測定された一定の基線を基とし、これから測角によって三角網を測定して地球の円弧を測定した。そしてエラトステネスの方法で地球の大きさを決定した。彼はオランダの町アルクマールからベル・オプ・ゾームまでの128kmの間に、凍てついた草地を横切って連結した33個の三角形による三角網を形成した。輝線の長さは走向距離計(車輪の回転数で測定)により、角度測定には四分儀を用いた。彼の得た地球の円周は今日の値より3%程度短い。[三角測量は1533年にオランダの地理学者で数学者のゲンマ・フリシウスが開発した。]
 このスネリウスの測定値により、月までの正確な距離の測定が可能になった。ニュートンは正確に測定された月までの距離を用いて月の地球に対する落下加速度(物理Uで習う円運動の向心加速度)を計算し、地上の物体の落下加速度と比較した。そして引力の逆二乗則を確かめて万有引力の法則を確立したのである。

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