HOME   仕事とエネルギー   サイトマップ 

 このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。

磁場の持つエネルギーと電流を担う電荷が持つ運動エネルギー

簡単化して、長さl=1m、コイル断面の半径r=0.05m、コイルの巻き数1000巻/1mのソレノイドコイルを考える。

 コイルを構成する導線の材質を銅とし、導線の単位体積当たりの自由電子の個数を計算してみる。別稿「オームの法則」で見積もったように、銅の密度は8.93g/cm3だから、銅原子1個当たり1個の自由電子を拠出すると仮定し、コイルを作る導線の断面積を1mm2とすると

 コイルの巻き数が1000巻きだから、導線全体の長さは L=2π×0.05×1000+1=315m となる。導線全体に含まれる自由電子の質量は、電子1個の質量が9.1×10-31kg/個だから、

となる。今電流 I=13A とすると電子の移動速度は1mm/s程度だから、電流に伴う電子の運動エネルギーは

このときソレノイドコイル内の磁場中に蓄えられるエネルギーは、μ0=4π×10-7=1.257×10-6[N/A2]だから

 EKとUの値を比較してみれば明らかなように[電子の運動エネルギーとして蓄えられるエネルギー]は[磁場中に蓄えられるエネルギー]に比較して無視できるくらい少量である。

HOME   仕事とエネルギー   サイトマップ