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任意の閉曲面を横切る電気力線の総本数(電界ベクトルEの法線成分の面積和)は、その閉曲面内の電気量の4πk0倍に等しい
このように記述される法則で、とても広い応用範囲を持つ重要なものですが、高校物理の教科書ではなぜかきちんと証明されていません。これは静止している電荷の間に働く力を説明するクーロンの法則を言いかえたものにすぎないのですが、[閉曲面内部の総電気量が閉曲面の表面の性質で決まる]という不思議な法則です。以下3段階に分けて証明します。
閉曲面の中にただ1個の電荷Q[C]があるとき閉曲面の表面Rにおける面積素片Sを貫く電気力戦の本数を計算する。このとき重要な関係式は[錐体の底面積は錐体の高さの二乗に比例する]と[クーロンの法則が距離の逆二乗に比例する]である。このことから閉曲面上での話が、電荷Qを取り囲む極微小な球面上の話に置き換えられる。そして、これらの球面は極微小故に必ず閉曲面内に含まれるようにできるところが重要である。
素片を貫くものを全表面にわたって和をとる。
閉曲面の中に2個の電荷Q1とQ2があるとき閉曲面の表面Rにおける面積素片Sを貫く電気力戦の本数を計算する。このとき重要な関係は[以下の関係式]と[電界の重ね合わせの原理]である。
この関係式を用いると以下の変形ができる。こんども電荷Q1、Q2を取り囲む極微少な球面を考える。これらの球面は極微小故に必ず閉曲面内に含まれるようにできる。
上記2.と同様な和をすべての電荷に適用すればよい。
以上で証明は終わり。ここで用いられているテクニックは逆二乗法則が関係する物理理論に繰り返し出てくるので覚えておくことを勧める。